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評決


 金のためにだけ仕事をしているけど、その仕事もほとんどない落ちぶれた弁護士フランク・ギャルビン(ポール・ニューマン)。そんな彼に舞い込んだ仕事のために、でもそれほどの意欲もなく証拠にと撮ったポラロイド写真、・・・徐々に浮かび上がってくる 医療ミスで植物状態になった女性の姿が、彼の正義感を呼び覚まし弁護士魂に火を点しました。彼は大金を支払うという示談(調停案?)を拒否し、病院と二人の医師を相手に医療訴訟を起こします。といっても物事はうまく運ばず、相手の弁護士の貫禄は憎たらしいほどだし、どんな手を使ってもというその手腕は彼に勝っていたのです。
 絶対不利な状況に陥った彼が最終弁論で陪審員に向けた言葉は、裁判の証拠や手続きや規則といった制度を越えて”全ての人の心にある正義感”を揺さぶるのでした。
 法廷内が歓喜に包まれるという見た目の盛り上がりを観せるのではなく、静かに余韻を感じさせてくれたラストが良かったです。