ヤマダ一家の辛抱 <TV> (1999)


 ヤマダ一家は、中卒で社長秘書をやってる山田一朗(竹中直人)と、22年ぶりに臨時で女子校の音楽教師に再就職の話が舞い込んだ妻の幸子(室井滋)と、性格のまるっきり違う会社員の長女 直子(雛形あきこ)と浪人生の次女 由佳里(ともさかりえ)の4人家族。
 どこにでもありそうな家族なんだけどね、いや〜彼らの周りの人たちも含めて、どこかネジが外れてるような可笑しさをふんだんに織り交ぜて日常のあれこれを描いています。万代プリンテック社長の万代(伊東四朗)と愛人のリカ(川越美和)妻の花代(由紀さおり)、一朗の母 寿美恵(鈴木その子)一朗の弟 肇(利重剛)とその婚約者の雪絵(川原亜矢子)、由佳里の家庭教師 渡辺渡(伊藤英明)、直子に想いを寄せる“カレー男”荒太(諸星和己)、他・・・、なんというか彼らともうごちゃ混ぜに絡み合うことで、ヤマダ一家4人の姿を通して家族というものを描いていく、ホーム・ドラマ(ヒューマン・コメディー)というわけです。
 ただね、その可笑しさって独特の味があるな〜って思うけど、好きか?って聞かれたら、ああいうノリはあまり好みではないな〜。時々、ジーンとしたりウルっときたりはするんですけどね。そうそう雪絵って身の上を偽り下心をもって肇と婚約し一朗にまでも色仕掛けで迫ったのは本心からではなかったことがバレるんだけど、それを観てなんて嫌な女なんだ〜って思っていたら、そんな雪絵を肇が受け入れたんですよね。それまで肇もちょっとずうずうしい感じでイマイチだったんだけど、すごい♪ってほんとうの愛を感じました。あの瞬間の驚きったら、雪絵はもちろんみんなが幸せな気分になれたような気がします。まあいろいろなことがありましたが最後まで観て、みんな欠点だらけだけど、”恥”をかき合うなかから生まれる温かい気持ちで寄り添う幸せいっぱいのヤマダ一家に、作品が描きたかった”家族本来の姿”を感じることができて良かったです。

 そのなかで、伊藤英明演じる渡辺渡は、TBSがUPしてるあらすじにはちょっとしか出てなかったけど、なんと毎回登場して楽しませてくれました。渡もね、初めのうちなんともヘンテコリンなキャラで可笑しいんだけど、どことなく変なんだけど、じーっと注目して観てると、たまにとっても美しいお顔やステキな目をしていたりけっこういろんな表情見せてくれてるな〜って思いました。

 渡は東大生で就職決まって時間あるからって、由佳里の家庭教師を引き受けます。なんか伊藤英明って、頭のいい人の役が多いような気がするのですが・・・。でも渡はまた見たことのないキャラで、いったいどんなところに就職決まったんだぃ!?って、民間では無理!って気がチラッとしてしまったよ。メガネを気にするしぐさ、ぎこちないハニカミから始まって、チョッキやら後の方では赤いジャージばかり平気で着ているし、見た目からして また言い回しもなんか世間離れした感じで頼りないのかと思いきや、彼なりに由佳里のことちゃんと見てはっきりストレートに物言うし、由佳里の飛び降りを必死で止めたり、由佳里の家出にはじめて学校サボって一日中つき合ってたんだね、いいとこあるよ!! 由佳里が自分は養女だって話をちゃんと聞いてあげてるときの表情がとってもいいの。それにしても、彼って人に触られるのが苦手なようで、何か理由があるのか神経質なのか、そのあたりもっと描いてほしかったな。でもこの先、由佳里とはけっこう手をつなぐ状況になったりするけど。由佳里が騙し取られた20万円、非常事態だからと手を引っ張って取り返しに行って、ん〜喧嘩は弱すぎ★ ダサくて弱いけど・・・。なんだかバカみたいなんだけど、味のある役ですね〜。
 ところが彼は姉の直子が気になってるんですね。由佳里は先生のこと好きになちゃったし、荒太はずーっと直子にアピールしてるけど、直子は以前の失恋を引きずってます。それで由佳里は 直子&荒太になれば先生は自分に・・・とダブルデートを計画。やっぱりダサい格好でやってきた渡を変身させようと、着せ替え人形させてるの。サングラスに変えるだけでもアレッ☆ なんか変な服もあるけど、チラッと別人に見えたり♪ ボーリングではけっこうノリノリでカッコつけちゃってたかな。渡のキャラが広がってきた気がする。それに次回(第8話)の予告なんて、ふつうにやってるよ!
 大学進学より夢を追っかけたい由佳里がベストデザイン賞特別賞を受賞し、その報告受けたときに由佳里を見つめる目ったら、授賞式に来て下さいって言われて頷く表情がなんとも素敵でした。でもその賞って服飾学校の生徒獲得のために騙されたんですよね。ゆかりを彼らしく励ましてるのが、なんかいいな〜。

 いよいよ最終回には、どうしちゃったんだろ(笑)受験を控えた由佳里にかける言葉が見た目も含めてすんごいカッコいい〜!!当日も応援に来てくれたし、晴れて大学合格を果たした由佳里には、自分から手をつなぐよ♪ ラストのナレーションも彼の声だったし、エンドロールには由佳里と立派な社会人になった渡の素敵な姿☆が。。。終わりよければ、全てよーーーしっ!!!