海猿 ウミザル (2004)


  初めて「海猿」を観たときには物語中心に楽しんで、その中で伊藤英明って俳優さんはピシッとキメてカッコいい姿が印象的だし、お猿仲間とハチャメチャに群れて面白いことしててもけっこういけるな〜っていい感じでした。潜水士の訓練生という役は、趣味がスキューバーダイビングだし、PADIダイブマスターの資格を持っているという伊藤英明にとっては、待ってました!というまさしくハマリ役だったんですね。そして彼自身が明るく相当面白い方で場の雰囲気を良くしてくれていたと共演者の方が語ってみえましたし、彼も「等身大で演じることができた」とどこかで語ってみえたので、自然にしていれば大輔に見えてしまうのだと思ってしまいそうですが、彼の出演作をいくつか観た今となっては、とにかくこの作品でもまた伊藤英明が、仲間と共にがむしゃらに頑張ったりバディを亡くして落ち込んだりといろんなことを経験する潜水士の卵 大輔そのものに見えてしまうほど、見事に演じている!っていうのが堪らなく素敵です。 

 ↓ 以下、伊藤さんのファンになる以前に書いた作品のComentです。
 海上保安庁の中でも人命救助のエキスパートとして活躍する“潜水士”を目指す、14名の若者の物語。彼らは二人一組でバディを組み、過酷な訓練に挑みます。主任教官 源太郎(藤竜也)は訓練を通して「水深40m、ボンベには一人分が浮上する酸素しか残っていない状況でどうするか。」と問います。二人のうち一人が確実に助かるか、或いは他に方法があるのか!?がテーマとして投げかけられての展開。

 ダイブマスターライセンスを持つ仙崎大輔(伊藤英明)と三島優二(海東健)や技術的なレベルは低いけど純粋な動機でこの道に挑戦している工藤(伊藤淳史)など、ほどよいユーモアも交えて彼らの友情や信頼感が広がっていくようすが楽しめます。また恋心やライバル心も大切な要素。そして命をのみ込もうとする海の恐ろしさと闘う彼らの姿には、やっぱり感動するしかないです。

 「ザ・ダイバー」などこういったタイプのお決まりの展開(*追記↓)って感じではありましたが、''自己犠牲のヒーロー''という描き方でなかったところに好感が持てました。二人とも助かる方法を考え続けた仙崎が、まさにその状況に身を置くことになり・・・。仲間を信じる勇気とそれを受け止める心は、信頼から生まれるのでしょうね。またほのかな恋心が生まれてはいますが、愛を理由に命をかけて・・・という展開でもなく、さまざまな動機で集まった若者達が人命救助に当たる海上保安官として命の重みを実感していく男の世界を描いているのが良かったです。


*追記:10年ぶりぐらいでTV番組表に見つけた「ザ・ダイバー」を観てみました(2011. 12月)。やはり海兵隊のダイバー訓練生のお話でした。メインに描かれていたのは人種差別やったんや〜。これは海猿とは重ならないですね。何かの事故でダイバーが海底に取り残され・・という展開(お決まりかな?!って思ったんです)で、そこに自己犠牲もあったような印象だったんですけど、改めて観てみたら思っていたのとは違ってるな〜と・・ありゃ〜!他の映画も混ざり合っての記憶になってたようです。スミマセン。。。