OUT〜妻たちの犯罪〜 <TV> (1999)


 香取雅子(田中美佐子)や吾妻ヨシエ(渡辺えり子)ら弁当工場のパート仲間は、山本弥生(原沙知絵)が絞殺した夫の死体をバラバラにして・・・。
 初めて観たときに、なんとも心地の悪い物語だと思いました。UKIUKIはこの作品の良さが分かりません。彼女らそれぞれが、夫婦関係や家庭生活に不満を持ち精神的に疲れきっているのは分かるけど、だからといってあの展開はどうなんだろう。雅子の友人で刑事の井ロ則子(飯島直子)の態度も納得できなかったのではなかったかな。もっと怪しい雰囲気のドラマとしてならアリかもしれないけど、こんな普通の雰囲気でパートで働く普通の主婦仲間でバラバラ殺人なんて、その時点でもう受け入れられなくなって、あとは流して見てました。なので途中ははっきり覚えてないけど、しばらくぶりに最終話だけリピートしてこれを書いてます。だから、考え違いしているところがあったら、ごめんなさいです。

 同じ職場で雅子に気持ちを寄せる日系ブラジル人の宮森カズオ(伊藤英明)は、犯罪を犯した彼女たちのすぐ近くにいて彼次第でそれが発覚するかもわからないドキドキの存在だったと思いますが、どこまでも素朴で純粋な青年なんです。隠し事がありそうな気配とか感じてたかな、どう思っていたんでしょうね〜。雅子が彼をさり気なくあしらって、犯罪に巻き込まなかったのは良かったです。カズオがブラジルの家族への想いを話していたところが、印象に残っています。とても温かい気持ちを感じて、雅子たちとの違いが印象的だったんです。
 カズオは雅子への真っ直ぐな気持ちから最終話で雅子の危機を感じて「大切な人なんだ!守りたいんだ!」と飛び出していって、ついにドロドロの展開の渦中に入ってしまったとたん、雅子を襲っていた佐竹光義(柄本明)に刺殺されてしまうのでした。でも佐竹から雅子を助けることはできたので、良かった〜ってどこまでも純粋な表情がなんとも言えません。ブラジルの家族はどうするのーって思いました。