伊藤英明インカを歩く 天空から秘境へ! 幻の「王の道」8000キロの旅 
                        <TVドキュメンタリー> (2006)


 素晴らしい自然と遺跡の中に身を置き、また人々と触れ合う中で、伊藤さんの生き生きした表情がとっても素敵だったし、彼の感動や考えさせられたことの少しでも分けてもらえた気がして嬉しかったです。

 素晴らしい景色はどれもとにかくでっかくて、映像も美しかったです。わぁ〜すごい自然!って思ってしまいそうだけど、そうかこれは人工的に作られた道なんだ遺跡なんだ畑なんだ塩田なんだ・・・と、その調和や一体感に目を見張ります。「すごい!」「すごいね〜!!」を連発する伊藤さん、かっこいい言葉を無理して言うのでなく、素直に感動している姿から、本物の感動が伝わってきました。あんな崖っぷちにいるの、恐くなかったかしら。。。
 遠くの景色として眺めていたアウサンガテ山は迫力のある美しさでしたが、馬に乗って行った先の聖なる地で目の前に迫る山もまた素晴らしかったです。その村では、山の神様や大地の神様に助けられて、「みんながみんなのために生きている」んだそうです。
 とにかくどんな景色の中にいても、伊藤さんは絵になります!

 インカ帝国は文字を持たない文明だったということにまず驚きました。そして「武力で抑えるのではなく」現代にも続いている”アイニ”(労働による相互援助)のシステムを国のレベルで成り立たせ、そのためにも情報を伝達しお互い土地にない物資を運搬するなど人々の生活をつないでいた”王の道”が、インカ帝国を統一させていたのだと知りました。
 500年前に滅びても、現代の人々の生活に生き続けている”インカの心”が感じられた人々との交流。「争うのではなく、助け合い補い合う。それがインカ流なんだ。」って伊藤さんに教えてもらいました。私たちとは環境も文化も違うけど、人として通じるものを思い出させてもらえる、それが伊藤さんのおっしゃる『感謝する気持ち』なんですね。

 旅の行程や交流する主な現地の方々との前もっての打ち合わせなどは当然きちんとされていたと思いますが、伊藤さんが人々と交わすやり取りや、特に小学校の子どもたちや羊を放牧していた兄妹そしてマグノリアちゃんと過ごすときの気持ちには、純粋な人と人との出会いがあったのだと思います。伊藤さんの笑顔が本当に素敵でした♪ 全体を通して映像の中の伊藤さんは、何か話さなければとか立派なことを言わなければといったありがちな案内役ってふうにならずに、きっと自然な気持ちのままでそこにいるのでしょうね〜っていうのが新鮮な感じで良かったです。説明はナレーションで・・・。そして伊藤さんの体験などは”伊藤さんの語り”で、声の感じが好きです。
 事前にインカの神話なども勉強して行かれたのですね。ウロスの小学校の子どもたちがインカの歴史を学ぶ授業の中で、神話もそのまま子どもたちに信じられている様子に「そこらへんは神話なんだ〜」と反応しているところや、文字が無いことの意味について考えてらっしゃるところが印象的でした。日本もそうだったでしょうし、いろんな国で神話を学んでいるでしょうけど、心の底から神話が真実だと信じられてるのはあまりないかもしれないな〜。遊具も何も無いところで、でんぐり返しを楽しそうにしている子どもたち。トトーラ(トトラ葦)を次々食べさせられちゃう伊藤さんが面白かったです。子どもって しつこいものなんですよね〜。嬉しい時なんて特にね。
 それから、マグノリアちゃんの鼻を拭いてあげてる伊藤さんがとっても好き。自分の子どもができるまで、なかなかそういうことってできないものですよ。あっ、代父(パドリーノ)になったんだ。父性愛!?なのね〜(笑) なんか伊藤さんってお子さまっぽいところがあって、だから感受性が豊かで心が柔らかくって、それがお仕事に生かされているって感じで、素敵な方だな〜、ずーっとこのままでいてほしいな〜といつも思っているのですが、今日は 自分の子どもができたらどんなに素敵なお父さんになっちゃうかと、すぐにでもアリやわ〜なんて思ってしまいました。
 あと葦舟漁を体験したり、羊の肉(ヤバイ助けてぇ!って顔、カワイイ!)やクイ(手でほじくりながら「クイかたわかんね〜」って、またぁ!)を食べた時の反応とか感想とか、市場での様子・・・見どころあれこれありました。でも伊藤さんは番組に映っていたよりもっといっぱいの特別でないことも含めていろんな体験をし、もっといっぱいの感動や心の中に得るものがあったのではないかな〜と思いました。
 約1時間半があっという間で、楽しく観ていましたが、やっぱり旅の内容のわりにいかにも時間が少なくて、もっともっとじっくりこの旅を観たかったです。

→ UKIUKIの宝物