X-ファイル:真実を求めて (2008)


 劇場版第1弾『X-ファイル ザ・ムービー:未来と闘え』から10年、ドラマシリーズ最終話から6年の時を経て、戻ってきましたX-ファイル!! なんといってもフォックス・モルダー(ディヴィッド・ドゥカヴニー)& ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン)をまた観ることができて、念願かなったという気分。X-ファイルに完結はありませんから、新しいX-ファイルはいくつでも作れるはずなんです。また 見覚えのあるスタッフさんのお名前、バンクーバーでの撮影も懐かしいです。バンクーバーで撮影していた頃のドラマの映像、寒そうなのが多かったけど、今回も厳寒の地ウェスト・ヴァージニア州という設定です。スキナー(ミッチ・ピレッジ)が健在でした! 助けを求めるスカリーに応えて、またモルダーをいたわるように抱きかかえる姿にもウルウルしそうになったし、嬉しかったな〜。。。

 内容は一話完結モノでしたね。どこかに”神話”絡みを匂わせるのかな〜と思って観ていましたが、そういうの無さそうでした。Xファイルを初めて観る人への配慮でしょうか。ただ、モルダーの原点”I want to believe !”そして彼個人的には その先にあるのは妹サマンサを探し出したいという思いであるのはシリーズ通してぶれることなく、この作品でも彼の情熱の根底にはそれがあるというのが見事!! というか、それが当たり前であって、今のモルダー&スカリーにも作品にも 背景には神話があるというのを感じます。

 身を隠して6年のモルダーが、今なお相変わらず超常現象の研究に没頭しているにしても、”すぐそこにある真実”からは遠ざかった位置にいるようなのですが、FBI捜査官ホイットニー(アマンダ・ピート)から スカリーを通して捜査協力を依頼され、その情熱再び! そして原点への思いを”諦めない!!”彼に戻っていくという姿を見られて嬉しいです。ただUKIUKIは”エージェント モルダー”の彼が理想なんですよ。なのでちょっと寂しい、今後もう戻ることはないのかなぁ。。。

 ところでこの内容、Xファイルを初めて観る人にも楽しめるように とは言っても、FBI女性捜査官モニカ(ザンサ・ラドリー)の失踪から始まって、サイキックな能力を持つと主張するジョー神父(ビリー・コノリー)の登場、それで”捜査に進展と混乱をもたらすジョー神父は神が使わした救世主か悪魔の化身か”と言われているように いったい何者なのか?モニカを救うために!とモルダー&スカリーの経験と捜査能力が求められたわけですが、ジョーの透視”ヴィジョン”によって、バラバラ遺体の発見から やがて大量殺人事件の存在が明らかになり、その真相は 何ともおぞましい生体実験だという展開は、誰でも楽しめるってのでもなかったと思います。UKIUKIは透視能力のようなものには あまり興味が無い(否定しているのではありませんが・・)のですが、まぁそれだけではなく内容的にいろいろあるので楽しめました。生体実験の映像が かなりグロテスクなのですが、大丈夫! うん、Xファイルのファンとしては これくらいはネ!!(笑) それもそうなんだけど、こういうことって、どこかで実際やっているのかもしれない・・技術的にはね・・、狂った科学者或いは狂った闇の為政者の下で・・な〜んて怖ろしさが ふとよぎるのがXファイル的なんです。

 さて、この6年間身を隠して人知れず暮らしてきた様子のモルダーと、キリスト教系の病院で医師として働いているスカリーは、カップルとしての関係になったと設定されているようです。あれから、連絡を取り合っていたことが嬉しいです。となると、自然にそういう関係になっていたとしても、特に進んだというより、変わりなく二人はいてくれたという印象です。特に密接になったとか依存関係になっていたりではなく、それぞれに自分らしく生きていて、時に対立しても それでいてお互い”信頼”しあえる存在でいるような”愛”。
 ホイットニーに捜査協力を求められて モルダーを訪ねたスカリー。二人のシーンになってまもなく、スカリーがモルダーのことを心配で堪らない様子の表情になります。UKIUKIの胸は一気にキュ〜〜〜ン♪となりました。そういうスカリーが、大好きなんです。
 シリーズ通して振り返ってもこの作品でも、モルダーはモルダーでそれが嬉しくもあるわけですが、スカリーって初めの頃からと比べてすごく触れ幅の大きい(←I氏の言葉を借りました)キャラクターになってきたと思います。UKIUKIにとってこの映画の見どころはどこだったのかと考えたときに、”スカリーの葛藤”が真っ先に思い浮びます。

 そうそう、お遊び的に散りばめられたファン向けのネタには、楽しませてもらいました〜!! 扱っているテーマと異質の・・といってもXファイルの歴史を感じるユーモアが、違和感なく楽しめるんです。そのひとつ、スカリーの視線に合わせてカメラが上に向かいかけた時点で、あっアレでしょ!と気づいたファンも多いはず。それとUKIUKIったら、早い段階で伏線がありましたが モルダー危うし! スカリ〜早く〜〜ってときに、”25.2”(←コンマ無視)は偶然でしょうけどニンマリしてしまいましたわ。(←何のこと?って方は流してください。)

 やはり謎を残したままの結末を迎え、ジョーに告げられた言葉”Don't give up !”を受けて、更なるモルダー&スカリーの人生は続いていくはずで、また新しい物語をと期待してしまうUKIUKIです。(Comment2008.11.18)