続 蘭の女 <TVM> (1992)


 仕事に燃える気鋭の建築家ジェイク(David Duchovny)は、恋人アレックス(Brigitte Bako)の全てを愛していた。
 オープニングで明るい草原を二人で駆けていき木陰でキスするシーン、なんて素敵、なんて美しく優しくセクシーなんでしょう♪ 眩しいほどに輝くジェイクとアレックスの姿は、二人の明るい未来を想像せずにはいられなかったのに・・・。

 ある日突然アレックスが自ら命を絶った。なぜなんだ?!・・・ジェイクは残されたアレックスの日記をたどる。そこにはジェイクの知らなかったアレックスの姿があった。
 おとぎ話の王子様のように全てに恵まれているジェイクとの生活の中で、アレックスはふと思った「でも自分だけの秘密を持ってみたい」と・・・。アレックスのハートに火がついた。完璧な男、完璧なゲーム、完璧なヒミツ、・・・ジェイクとは全く違うタイプの野性的な男トーマス・K・バトラー(トム)(Billy Wirth)の罠にはまったアレックス。二人の男の間で自分をコントロール出来なくなったアレックス。そうとは知らずに彼女の誕生日にはプロポーズをしていたジェイク。理解しようとしてもできない、受け入れようとしても受け入れられない、悲しさ・喪失感・屈辱・怒り・・・トムに気持ちをぶつけても気持ちの整理はつかなかった。運命の女性を失って打ちのめされ苦悩しもがく男の内面が滲み出るDavidの演技に見とれるばかりです。

 ダークなシーンが多い中、赤が印象的に使われています。その鮮やかな赤は、炎のついたアレックスの心を象徴しているようです。

 また、何も知らずにいたころのジェイクは、何もかも完璧でほんと素敵。トムよりずーっとセクシーなのに。。。工事現場で仕事に野心を燃やすジェイクは、Davidには珍しいシーンのような気がしました。アレックスと二人で船の灯模型を見て、冗談言い合うシーンのDavidはキュート♪

 ジェイクは女性の想いが綴られた日記から答えを得ようと、日記を求める広告を出します。このあと寄せられる日記の再現で、ドラマ('92〜'00)が制作されるのでした。
 バスケと犬はDavidの定番ですね。

 「ナインハーフ」のZalman Kingによる官能的ラブ・ストーリー「蘭の女」の続編(シリーズ第3作)。ジャンルはエロティックということで、アレックスとトムには激しいシーンもありますので大人の作品と言えるでしょう。でもジェイクの心情に注目すれば、内容的にも見応えある作品だと思います。