Comment page 2008.9.19 renewal


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Sweet Rain 死神の精度
(2008)


 これ観ていて、ついつい いろんなこと思い巡らせてました。今死んでいいかどうかの”実行(死へ・・)”と”見送り(生へ・・)”の判断基準についてや、だったら子供に”実行”することについてとか・・・。そもそも不慮の死がコントロールされてることについてや、死神によってそれって違ってくるよね〜とか いろいろです。あと、自分だったら”実行”になっちゃうのかな〜、だったら・・・なんてね。まぁ何気にユーモア楽しめて おもしろいんだけど、内容としては まともに死を扱っていますもんね。でもそういうこと書き始めると、すごいエネルギー要りそうって思ってたんですよ。そしたらね、終盤もうそんなこと、どうでもよくなってきました。っで、終わり良ければ全て良しって気分で、まぁイマイチ割り切れない思いは忘れて、振り返れば すっかり楽しめたな〜っていうオメデタイUKIUKIで〜す。

 千葉(金城武)って、神様のくせに 何もかも分かっているわけじゃないっていうのが、お楽しみどころかな。ずぅ〜っと生きているのにね。だから分からないっていうのもあるし。知識だけじゃなく、人間の心情なんかもね。人間界には馴染みきれていない様子が 可笑しかったりするんだけど、どことなく純粋な 温かい存在のようでいて、ふと見せる彼の無感覚に あっ!と息を呑む思いです。それでも元々いつも”実行”の判定ばかりしてきた千葉の心が、揺らぎ始めたようです。

 なんとも地味〜で冴えないOL藤木一恵(小西真奈美)と 千葉のちょいボケとの絡みが面白いんだけど、結局 シンデレラガールになった一恵にも ついに笑顔は見られず、あれっ?前に何かの番組で小西真奈美さんは笑顔が魅力って言われてたけど封印してる・・そしたら、ちゃ〜んとラストに取ってあったんだ。
 UKIUKIはヤクザのドラマが好きでした。藤田敏之(光石研)と阿久津伸二(石田卓也)のアニキと子分の関係が心痛いほど深くてウルウルです。藤田が捨て身の襲撃をかけたときに、死神たちの共同作業みたいなのだったのね〜ってのが おもしろかったです。
 千葉が美容師の かずえ(富司純子)を訪れて間もなく、やっとこの物語の全体が理解できました。かずえが千葉に意地悪っぽくするのが、観ているUKIUKIも快感でした。
 死神仲間の言葉を借りれば ”死をプロデュースする”はずだった千葉のお話だけど、あら〜 かずえの”生”もプロデュースしちゃったような・・ってまぁ かずえ自身がどう生きてきたかなんですけど、かずえの人生を描くお話でもありました。それって・・かずえは自分の周りの大切な人がみんな死んでしまうんですよね、それで かずえは大切な息子を捨てて もう誰も愛さない人生を歩んできたけど、でも かずえが捨ててしまうことになった息子の”生”も生み出したわけで、すごいじゃない。そして捨てられた息子が、結局藤田への千葉の”実行”をきっかけに あんなヤバイ世界から足を洗って いいお父さんになって 母を許せるようになったのが嬉しかったよ〜。
 なんだか、何かにつけて 思うつぼに観せられてたな〜。。。 (Comment2009.3.1)