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世界最速のインディアン


 ニュージーランド最南端の町に住むバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は、21歳のときに出会った愛車(バイク)“1920年型インディアン・スカウト”を40年以上もかけて改良し続けている。彼の夢は、ライダーの聖地 アメリカのボンヌヴィル塩平原で世界最速記録に挑戦すること。

 生涯一途に夢を追い続けたバート・マンローの人生って、なんて味わいがあって素敵なんでしょう。それがまた、完璧に趣味の世界でしょ。いいわぁ〜♪ もう おじいちゃんですよ〜! ってまだ63歳だけど、体の衰えがけっこうきてるもんね。っで青春真っ只中!かな?! UKIUKIは、強烈なキャラクターのレクター博士でアンソニー・ホプキンスに出会いましたが、その印象を引きずることなく、こういうおじいちゃん役の彼が好きです。

 お隣の男の子トム と 仲良しで、二人のやりとりがなんとも微笑ましい。バートは ご近所に迷惑かけたり、若者のライダーグループと競い合ったり、なんか鬱陶しがられつつ孤立はしてないのよね。実は彼自身 現実的には今年もボンヌヴィルに行くのは無理だと思っていた63歳の年に、肉体的にもう先送りにはできないと いよいよアメリカを目指すことになったとき、彼の古臭くって子どもじみたようなひたむきさが何か伝わっていたんでしょうね、ご近所も ライダー野郎たちも なんてあたたかく見送ってくれること。。。
 そしてアメリカに辿り着いてからも、行く先々での人々との関わりが とってもあたたかくて、・・・最速を追求している男の、なんともゆったりとした旅。でも実際はトラブル続きなんだけど、ボンヌヴィル塩平原めざして前に前に進んで行く。彼は 人生通してこんなふうだったんでしょうね。彼の熱い情熱は見た目よりも半端じゃないっていうのが、周りの人々に伝わるのでしょう。
 そしてついにボンヌヴィルに到着してからも、エントリー手続きをしてなかったので出場できないという状況の彼を 応援する輪が広がっていくのでした。そして彼は命がけで夢を実現させます。凄いです! 無謀とも思える時代遅れで装備不足のインディアンによる走行、彼は計算しつくしているんですけどね、不安部分も少しは残したままの決行。足に大火傷を負いながらインディアンを走らせ続けるバートはもう、超人的にも見えました。やったー!世界記録更新!!
 そして、トムたちの待つ町の我が家に帰って来たバートは、前と変わらないマイペースなテンションのおじいちゃんでした。その感じがね、なんともいいな〜♪と思ったんですよ。

 出来すぎな物語のようで、でも実話なんですって、演出はいろいろされてるでしょうけどね。素敵な物語がいっぱい詰まっていて、その時々に UKIUKIは感動というよりも登場人物たちのようにバートを応援してしまいながら観ていました。
 しかも彼はこれだけで終わらなかった。その後も記録更新の夢を追い続けたというテロップには、びっくりすると同時に、だから町に戻ってきたバートは 人生最大の夢を達成して大満足!と興奮しまくるふうでも、目ざすものがなくなって虚脱感に包まれてるふうでもなく、前と変わらなかったんだ〜と納得。それってでも凄いな〜〜〜!!と、彼のデカさに後から圧倒されました。