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シリアナ


 『 SYRIANA 』とは、イラク・イラン・シリアをひとつにまとめた言葉だそうで、中東石油利権に絡むお話。CIA工作員ボブ・バーンズ役のジョージ・クルーニーがアカデミー助演男優賞をとったというし、マット・デイモンも出てるし、ってミーハー気分で 何気なくTV録画してそのままになっていたなかから これを観ることにしました。
 あぁ〜これだったのね、クルーニーが役作りで体重をう〜んと増やしたっていうの。パッと見 別人だと思うほど。でもなんで受賞したのかな〜、その努力に報いた賞としか正直思えなかったです。役に相応しい体型作りっていうのはあると思うけど、でもこの役、こういう体格必要なのかな? 今までのイメージなくすことが目的?な〜んて皮肉な見方をしてしまって、すみません。でも見た目に頼らず、演技で別人に見せて欲しかったな〜なんて、重ね重ねすみません。

 ”地球は陰謀でできている”な〜んて、コメディかと間違えてしまいそうでしたが、観始めたらそりゃもう真面目で難しいお話。しかも、引退を決意したのに最後の極秘指令が下されるボブの他に、ブライアン・ウッドマン(マット・デイモン)は家族の不幸をきっかけにナシール王子に傾倒していくエネルギーアナリスト、王位継承権を持つナシール王子(アレクサンダー・シディグ)は改革に意欲的なのですが アメリカ寄りの弟に後継者の座を奪われようとしていて、ベネット・ホリデイ(ジェフリー・ライト)は羊の皮を被ったライオンと例えられる企業弁護士、ワシーム・カーン(マザール・ムニール)は父と共に突然解雇を言い渡されたパキスタン人出稼ぎ労働者、といった登場人物のお話が、一見バラバラに展開していきます。それがひとつに繋がってるというのは判るのですが、観ていく途中は訳解んない感でいっぱいなんです。だいいちUKIUKIの日常とはかけ離れた世界ですから尚更です。そしてそこには、国家や企業の陰謀にまつわる内容だけではなく、それぞれの家族が描かれています。幼い子どもとふれ合うあたりまえの姿や、またそれぞれの父子や夫婦の心のすれ違い、そんな心の動いていく先まで描かれていきます。人間性を無視した世界と、家族の心の問題、もうほんとクドイようですがバラバラに観てるだけのような気がして、でも つまんないかな〜って自分に問うと、映画としてはおもしろいかも〜って思いながら観てしまいました。空しい余韻が残り 後味の良いラストではなかったけど、きれい事にされるよりはいいか〜と思いました。

 UKIUKIは単純で解りやすい映画がどちらかというと好きだけど、これは 理解できてないところはいっぱいありつつも、バラバラと感じた構成なんかを観終わってから振り返ると、上手くできてたんじゃないかな〜と思ったりしています。