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シー・デビル


 人気美人作家メリー・フィッシャー(メリル・ストリープ)に、愛する夫ボブ・パチェット(エド・ベグリー・Jr)を奪われた妻ルース(ロザンヌ・バー)の復讐劇。
 1989年の作品で、その頃もうM・ストリープはベテランのオスカー女優だったわけで、美貌と名声と富を持つ才能豊かな女流作家、男も欲しいままに手に入れて優雅に暮らしているメリーがぴったり!と思わせてくれるように演じてるだけでなく、その生活を狂わされて慌てふためくメリーの 本人は至ってシリアスなんですがその可笑しさがまたいいな〜!と楽しませてくれます。そして映画初出演だったというコメディ女優のR・バーが、対等にパワーを感じさせてくれていたと思います。
 容姿も恵まれたものではなく、夫の不倫を確信していくいていくルースは、何とも かわいそう〜な感じでしたが、復讐を決意した瞬間からもうデビルの名にふさわしい したたかさ! 復讐計画をきっちり立てて 見事に実行していくのです。ボブの築き上げてきたものを、一つ一つ奪っていって 破滅への展開です。それはもうブラック・コメディ。初めにボブは酷い!と かわいそうなルースに共感できたUKIUKIとしては、面白いやん!と すっかり楽しめました〜!! でもやっぱりブラックな面白さですから、ボブやメリーには欲が ルースには憎しみが根底にあるお話ですからねぇ、スカッとしない。
 ところが ラストが見事でした。復讐劇の結末がどうなるのか気になるところでしたが、 ”人は変われるんだ!”ってところに着地させてくれました。チラッと変わらない部分を見せるあたりが ご愛嬌でしたが、でもまぁルースのおかげでボブもメリーも進化した人生を送っていくことになるという、心地よいラストでした。それにしてもルースはこの先どんな立ち位置に・・・? 今までのことを笑い飛ばして過ごせるの? 家庭を再生することができるのでしょうか。子たちがいるからね、そうなればいいと思うけど、かわいく尽くすだけの妻には戻れそうにないしね〜。ビジネスの才能、かなり有るし。ボブとのパートナーシップを築くことができればいいな〜と思います。