Comment page 2008.9.19 renewal


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ジャンパー
JUMPER   (2008)


 テレポート能力・・何時でも何処へでも瞬間移動できるなんて、いいな〜!という単純な目で気軽に楽しみました。でもね、内容的には全然気軽じゃないんです。

 デヴィッド・ライス(ヘイデン・クリステンセン)は高校生のとき、自分にテレポート能力があることに気づきます。そして そういう能力を持つ”ジャンパー”って、彼一人ではなく この世界に存在している。そしてまた ジャンパーたちを抹殺しようとする組織”パラディン”も存在しているという設定です。デヴィッドは、パラディンのリーダー ローランド・コックス(サミュエル・L・ジャクソン)に その存在を知られて狙われ始めます。

 デヴィッドがテレポート能力をどう利用して10年間過ごしてきたのか。人々を救うヒーローになることまでは求めないまでも、突然の事故や災害から脱出するだけでなく、まあこっそり気楽に世界旅行を楽しむってくらいは夢があっていいとしても、あんまり身勝手よね〜、犯罪もやりたい放題で 周りの迷惑かえりみずっていうので思い入れできないんです。ヘイデン・クリステンセンって、カッコイイ好青年風でいて悪の部分を持っているキャラクター定着でしょうか?!
 この物語にはグリフィン・オコナー(ジェイミー・ベル)というもう一人のジャンパーも登場します。彼はどんな人生を送ってきたのかな。悪いことなんてしてこなかったのかもしれない、どうでしょう。今ではパラディンと孤独に闘っているジャンパーです。デヴィッドは彼と組んで、闘おうとします。

 デヴィッドのようなジャンパーがいるから、もしかしたらもっと世界を混乱させ或いは滅亡に追い込むのも可能なわけで、パラディンを悪として捉えきれないんですよね。一方で、親や恋人までジャンパーと密接な関係をもつ人たちを含めて たぶん例外なく抹殺しようとするのですから、パラディンを善としてとらえるのも無理があります。
 なので この物語 けっこう複雑です。言い換えれば、脚本的に中途半端なのかもしれません。でも、デヴィッドが良い青年で彼の宿命に切なさを感じ ローランドを全くもって憎たらしいヤツって思える描き方や、逆にデヴィッドのように能力を悪用するジャンパーを追う正義の人ローランドって思える描き方だと スッキリ分かりやすいのですが、それだと当たり前すぎて つまんないような気もします。観る視点や思い入れによって、感想や評価 何とでもなりそうで、それが おもしろいところだとしておきます。
 デヴィッドと母親のメアリー・ライス(ダイアン・レイン)とのドラマが、UKIUKIはこの物語の救いになってると思うのですが、それがまた中途半端だし、ローランドが放っておかないでしょ!とか突っ込まずにはいられません。
 また、物語を通してデヴィッドと彼が想いを寄せるミリー・ハリス(レイチェル・ビルソン)とのドラマがあるわけですが、共感できなくって・・・。

 ということで、割り切れなくて煮え切らない感も含めて 腹を立てずに サラッと気軽に楽しまなきゃ損!!という作品だと、UKIUKIは思いました。 (Comment2008.10.15)