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HERO


 2001年ドラマ、2006年SP版に次ぐ劇場版。ドラマは家族に便乗してちょこちょこ観てましたね。久利生公平(木村拓哉)のキャラクター、いいな〜って思ってました。
 俳優 木村拓哉は、ご自分の個性に役を引き寄せるタイプの俳優さんだな〜と いくつかの作品を観ていくうちに勝手に思うようになって、なかでもこの久利生は、型破りで場違いな雰囲気漂わせつつ 自分流を通して真摯に仕事と向き合う検事といった役ですが、ピッタリ嵌ってると思います。

 この映画では、東京地検・城西支部に戻ってきた久利生が、一人の男性(サトヤマ ユウイチロウ)が亡くなった傷害致死事件を任されます。
 でもそこに行き着くまでの前振りが長かったんですよね〜。それに全体を通して、道草あちこちでしている感じの展開でした。再会した久利生と彼の事務官 雨宮舞子(松たか子)の微妙な遣り取り、二人の関係は重要なお楽しみ要素でしょうね。また、城西支部同僚の人たちそれぞれのプライベートや、SP版からの後日談まで、なかには これなくてもいいんじゃない?ってシーンもありましたけど、ドラマ&SP版からの熱いファンへのサービスでしょうか。まっ そういうのも久利生には仲間がいるっていうことや、久利生の人となりを描いているってことなんでしょう。

 っで、物語の中心は傷害致死事件の裁判。久利生は、刑事事件無罪獲得に定評のある弁護士 蒲生一臣(松本幸四郎)を相手にします。容疑者 梅林圭介(波岡一喜)は その犯行を認めていたのに、初公判で一転、被疑者全面否認し無罪を主張ってことに。それというのも、梅林は政界を揺るがす贈収賄事件の裁判において、花岡練三郎衆議院議員(森田一義)が関与を否定するための目撃者になっており、傷害致死事件の判決が、花岡への判決に即影響するのです。しかも花岡は、久利生とSP版からの因縁があるらしいです。
 政界、検察当局、マスコミ、世間が 贈収賄事件裁判の駒のひとつとして 梅林の判決に注目していきます。でも久利生は一貫して、自分がやっているのは傷害致死事件の裁判だと言い切り、大切なことを見失わない久利生が かっこいい!! 蒲生の要求に応えて ”ほんの少しの疑問も残らないように、徹底的に”梅林の有罪を証明するために、証拠集めに奔走します。雨宮はもちろん、城西支部の仲間も知恵を出し合い協力していきます。

 法廷で、花岡が ”つまらない”と言った事件の内容を、被害者と残された人の思いを込めて語る久利生。「これはサトヤマさんという人の 命の重さを知るための裁判なんです!」 久利生の裁判への真っ直ぐな姿勢、血の通った言葉が法廷の空気に沁み込んでいく感じがよかったです。

 ってことで、道草あり、突っ込みどころもいちいち書きませんがけっこうありでしたが、いつのまにか楽しんで観てました。
 ところでキャスティングが派手でね、豪華っていうんでしょうか、イ・ビョンホンかっこいいわ〜♪ でもUKIUKIとしては似合わないな〜って方もいたりしますけど。久利生と雨宮で 証拠集めに韓国まで行っちゃって、映画版を意識してるんでしょう! でも劇場スルーしてTVで楽しんじゃったよ〜! まあ韓国もイ・ビョンホンも、そういえばオープニングからどうでもいいのに(?)久利生がやってたことも、ラストのオチに使われてたから、まぁいいや〜!って感じ。

 ただ・・・
 久利生は「俺の仕事は、加害者に遺族の悲しみとか、自分の犯した罪の重さを気づかせることだと思ってますから。」と言っていたのに、 有罪とか何年とかそういうことではなく 梅林はちゃんと気づいたのか・・サトヤマさんの婚約者がそこにいるのに最後まで全く無表情で、いちばん肝心なところをクリアしたのかどうかUKIUKIにはよく分からないまま、なんとなくハッピ−エンドしちゃったのが、心残りでした。
 自ら気づき始めて自白していた加害者に、無罪を餌に嘘をつかせたのは権力持つ者の企みなんだから、梅林のためにもよけいに後味悪いな〜。。。