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イーオン・フラックス


 西暦2011年、新種のウィルス被害を トレバー・グッドチャイルド博士が開発したワクチンで生き残った1%の人類(500万人)は、汚染された外界から隔てられた都市ブレーニャで暮らすようになりました。
 そしてこれは西暦2415年の物語。トレバーの子孫と科学者が政府の中枢にいて、秩序維持優先の圧政を敷いています。そんな政府に疑問を抱く反政府組織“モニカン”のイーオン・フラックス(シャーリーズ・セロン)に下された指令は、今のトレバーの暗殺でした。

 UKIUKIお気に入りの近未来SFです。そしてお気に入りの俳優さんシャーリーズ・セロンでアクション。作品のクオリティを追求されてると思われる酷評も見かけますが、UKIUKIは楽しみました。
 タイトルが主人公の名前ってことは・・・シャーリーズ・セロン観賞作品のようにも書かれてたりして、確かに彼女は立ち姿も身のこなしもすっごく美しくてかっこよくて見とれちゃいます。でもやっぱりせっかくの近未来SFですもん、クローンなどが絡んだ科学的な内容も楽しみました。イーオン自身が違和感を持っている自分の意識の底に眠っていること、トレバー(マートン・ソーカス)と弟オーレン(ジョニー・リー・ミラー)の思惑の違いといった、ドラマ的な内容も楽しみました。

 こういうのって、科学的に本当に理屈に合うかどうかはともかく、理屈に説得力があると楽しめます。ところがこの作品、そういう理屈をことごとくスルーしちゃってる。だから、400年を経ても人類が種として進化しているわけでもないのに、せっかくの情報伝達手段やら何やかや観てても、ただ超人的だったり超能力的に見えてしまうことが残念です。また、閉鎖都市と外界との隔離状態や、記憶の伝達、政府が密かに行っている人類生き残り政策や問題解決に向けての実験など、とにかく何かにつけてそれらに伴うディテールの詰めが甘いって気がします。でもまっUKIUKIはそういうのをひっくるめて許しちゃって、しかも設定も内容も映像も斬新なわけでもないけれど、好きな世界の雰囲気や映像を楽しんだのよ〜って感じです。

 っで 作品が何を伝えたかったのかはハッキリしています。それは、”たった一度きりの人生を生きることの素晴らしさ” だと思います。