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ワールド・トレード・センター


 9.11の際、ビルの崩壊で生き埋めになったものの奇跡的に生還した2人の港湾警察官がいた。実話をもとに映画化されたものです。
 世界貿易センタービルの北棟に旅客機が激突する大惨事が発生し、緊急招集を受けて現場に駆けつけた港湾警察官たち。ベテランのジョン・マクローリン巡査部長(ニコラス・ケイジ)と共に、新人警官のウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)ほか二人が志願してビルの中に入った。まもなくビル全体が崩れ始め、ジョンの適切な判断で 辛うじて命を落とすことなく、しかし瓦礫の中で身動きが取れなくなった。

 この時 彼らは なぜ旅客機がビルに突っ込んだかは知らないわけで、ビル全体が崩壊したことも知らないわけで、テロへの怒りとかそういう感情はなく、大惨事に巻き込まれたショックとか、取り残されたことへの不安も大きいでしょうが 取り乱すことなく、仲間の死に直面しては責任を感じ、体の痛みに苦しみ眠気と闘いながら自分の命の限界を感じ、そして何よりも 愛する妻や子のことを想い、希望の見失いそうな時間を過ごしていました。こんなことにならなかったら立場の違いが大きくて親しくなれたかどうか・・という ジョンとウィルが、もう対等な仲間として語り合い、自分の気持ちを確かめるように 妻や子のことなど身の上話をします。 そして、死を意識して諦めそうなお互いを引き戻し合います。瓦礫の中で身動きとれずに仲間として励まし合う彼らを、淡々と描いていきます。もう正直言って、申し訳ないけど観ているUKIUKIの方が眠りに落ちそうでした。
 一方、彼らの家族にとっては、状況からして客観的に考えて絶望感がしだいに大きくなっていって、もうあたりまえなんだけどそれぞれの感情はどんどん表に出てきます。そして そんな気持ちを受け止め合う人たちがいました。また、この大惨事に自分は何をするべきかと考えて行動する人たちも描かれていました。
 この作品は、怒りとかヒーローとかを描くのではなく、絶望的な状況のなかでも 人の優しさや諦めない気持ちや愛する者の存在が生きる力になることとかを描いていたと思います。あれっ・・言葉で言ってしまうと、どこかでありましたよね〜こういうの。でも、全然 違う〜(笑)