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日本沈没


 深海調査の潜水艇パイロット 小野寺俊夫(草なぎ剛)は、ある時異常地震災害現場でハイパーレスキュー隊員の阿部玲子(柴咲コウ)と出会います。まもなく地球科学者 田所雄介博士(豊川悦司)は、日本列島がわずか1年後に沈没することをつきとめます。彼の訴えを真剣に受け止めない者が多いなか、内閣総理大臣 山本尚之(石坂浩二)は危機管理担当大臣を置いて日本人の避難先確保に動き出しますが、やがて大規模な地殻変動が次々と起こり、人々は逃げ惑い多くの犠牲者が・・・。

 ちょっと前に観た旧作とこれと、物語の大筋は同じといってもいいので比べてしまうかなと思ったけど、CGなど満載の映像になってはいるけれど、海底に潜っていく潜水艇の内外の様子は似た感じだし、全体的にもどちらの方が良いとかって思えない作品になっていました。

 命はもとより日本という国が、まあそんな枠組みはいいとしても、幸運だったり選ばれたりで僅かな日本人が難民として各国に分散して逃れたとして、帰るべき地を失い日本の文化がほぼ全てなくなってしまうのだろうという状況で、”人はそのときどうするのか”というのがやはり旧作同様 物語のテーマだと思いました。それは社会的立場や生活してきた様々な環境によって、選択の幅が大きく違うものだという部分が見せつけられてもいますが、特に研究者や災害対策の関係者としては何が出来るのか、しなければならないのか、したいのか・・・、それぞれのキャラクターの立場が自分だったらどうかなと考えてしまいます。
 何よりも大切な命だから、一人でも多くの命が生き延びなければならないのは当然ですよね。でも旧作の時もそうでしたが、誰が防げたというものでもないこれほどの自然災害なら”何もしない”という選択についてUKIUKIの気持ちは傾いてしまいそうです。

 とにかくこの作品って、人が大勢死んで、最終的に自己犠牲で最悪な結果をくい止めるという、パニック映画のパターンそのもの。「アルマゲドン」「ザ・コア」など数あるパニック映画を思い出してしまいます。何人もの犠牲の後 最終的にヒーローが犠牲になったか戻ってきたかはそれぞれだったと思いますけど。そんなハリウッド作品だと、地球の滅亡を描いたものが多いような気がしますが、この「日本沈没」は日本だけって感じでちょっと小さい!? でもこれだけのことが起これば、地球規模の影響があるでしょうね。
 でもやっぱり日本人と日本というデカイものを救うための自己犠牲なんだけど、実はその行動を決心させたのは、「守りたい人のために・・・」という気持ち。そんなヒーロー小野寺の熱い気持ちが描かれていましたが、その前に犠牲になった同じく潜水艇パイロット 結城慎司(及川光博)が家族の写真をそっと・・・というシーンでUKIUKIはジーンとしてしまいました。どうして及川光博ってキャスティングだったのかな、結城としてはそれでよかったんだけど、彼の個性を思いっきり抑えて結城を演じていました。

 な〜んてあれこれ考えながら、このパニック映画を素直に楽しみました。そしてUKIUKIとしては、人が全然死なないのにそして自己犠牲なしでも感動でいっぱいになったパニック映画「LIMIT OF LOVE 海猿」の凄さを再確認するのでした。