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ミュンヘン


 1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件に対して、イスラエル政府の方針によって秘密裏に組織されたイスラエル暗殺部隊による報復を描いた作品。惨いシーンも淡々と描かれていく展開を観ながら、心の奥に問いかけられるような、でもきれい事では答えは出ないのが もどかしくて腹立たしくて・・・深いです。スティーヴン・スピルバーグ監督は、やっぱり凄い!って思います。

 リーダーのアヴナー(エリック・バナ)は、家族を心から愛し仲間を思いやる温かい人柄で、他のメンバーも人間味のある男たち。生まれてきたときから教え込まれてきた民族の歴史と彼らなりの”高潔”に生きること、つまり個を捨てて祖国のために・・愛する家族のために・・”未来や平和のために” 報復を実行する。。。でもきっと相手には相手の正義があって、繰り返されてきた報復。。。
 「こんなことをしている先に平和はない!!」という”真実”を悟ったアヴナーの声など、どこにも届かないけど、彼は人生を変えましたね。

 先日観終えたドラマ『孤独の賭け』と同様、”復讐の連鎖”について考えさせられる作品でした。格差社会と民族の歴史というフィールドの違いはあっても、そこで傷ついているのは一人一人の血の通った人間というのは同じです。梯二郎もアヴナーも、一人の人間としては復讐の連鎖に終止符を打ったのでしょう。こういうのを観て 感じたことで、UKIUKIも 何かってときに自分の気持ちの持ち方や行動が変わってるのかもしれない。心で感じて自分を変えていく人がいっぱいに広がれば、未来を少しは明るくしていけるのかな〜って信じたいです。

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 憎しみの連鎖その手で閉じて愛する事の意味を伝える
 やれる やれる やれる やれるさ きっと
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 皆気づきながら瞳を伏せて 最大の過ちに向かってる
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 憎しみの連鎖その手で閉じて愛する事の意味を伝え合う
 やれる やれる やれる やれるさ きっと
 ・ ・ ・♪           GLAY『僕たちの勝敗』より