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ラヴァーズ・キス


 すばらしい余韻の残る名作「YASHA」や「BANANA FISH」作者 吉田秋生さんの 同名コミックが原作です。それを読んだ後、映画化されていると知って、本だと抵抗なく受け入れられる世界だけど、実写ではどんな雰囲気になるのかな〜って気になっていました。

 幼い頃から良い子を演じつつ 抱えているトラウマを隠すように男子との軽い付き合いを繰り返している川奈里伽子(平山綾)は、産婦人科医の息子で見た目もよく女子には気になる存在なんだけど 悪い噂が絶えない藤井朋章(成宮寛貴)と、偶然夜の海で言葉を交わしたことで 特別な感情が芽生え始めます。二人を中心に、里伽子の妹 依里子(宮崎あおい)と親友 美樹(市川実日子)、朋章の後輩 高尾(石垣佑磨)と彼の同級生 篤志(阿部進之介)、男女6人の高校生それぞれの想いや悩みを丁寧に描いています。

 朋章の容姿は目を見張るほど美しく、でも噂からくるイメージに開き直っているような彼の姿は すごいワル★ ところが実際の生活や噂の真実はそうではないと だんだんわかってくる、さらに彼の心の傷が明かされていくという そのギャップが、原作を読んだときに好きなところでした。映画でもやはり そこが見どころだと思うのですが、ただイメージで見ているはじめの頃に そのとおりに見える!というインパクトがあまりなかったようで、ちょっと残念でした。ワル★(ぶってるんだけど・・)の感じも薄かったし、容姿端麗についても成宮寛貴はもっと綺麗に撮れるのに・・と思いました。
 里伽子も、もう少し荒れた感じかな〜って気もしていたのですが、でも彼女はこれでいいや〜と思いました。
 また里伽子と朋章の出会いをきっかけに、胸の奥にしまっていた想いを意識していく周りの4人。日々成長している思春期の頃って、憧れの目で同性の人を見ることってあるような気がするんです。そしてそれが”好き”という感情になって膨らんでいく。とっても切なくて、でも思春期らしい自然な感情として受け入れられました。きっとこれも甘酸っぱい思い出になっていくんじゃないかな〜と思えました。