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子ぎつねヘレン


 母親に置き去りにされた少年太一(深澤嵐)が、一人ぼっちでいる子ぎつねを見つけました。 ところがその子ぎつねは、目も耳も不自由だったのです。見つかった時まで育っていたのが不思議なくらい。その直前までは母ギツネと一緒だったのかな、はぐれたのかな、置き去りにされたのかな。。。太一はその子ぎつねをヘレンと名づけて、へレンがお母さんギツネのもとに戻れるよう治してやりたいと思い、手術ができる大きさまで一生懸命育てようとします。

 ヘレンを中心に、太一の一途な姿を追うのと重ねて、母親から太一の世話を押し付けられた獣医師の矢島幸次(大沢たかお)が、ヘレンのこと放っておけないけど 自分にはどうしてやることもできないことに悩む姿や、彼の娘 美鈴(小林涼子)が、日常的に厄介な動物たちやそして今度はヘレンや太一が舞い込んできて、またそのうち太一の母 律子(松雪泰子)がやって来るという状況に対しての心境、そして戻ってきた自分中心思考な律子といった周りの大人の姿が描かれています。

 とうとうヘレンは検査の結果、治る見込みがないと分かります。お母さんギツネのもとには戻れないし、病気も進行していて残された命も長くないのです。
 ところが啼かないって言われていたへレンが、太一を呼ぶように啼いたんです。それは母親を呼ぶ啼き方だったのです。太一はヘレンの”友達”から”お母さん”になりました。
 動物を飼うとき、無意識にでも人は何かを動物に求めて愛情をかけるってことが多いと思います。でも、ヘレンのお母さんになった太一の愛情は いえその前からずっと彼のは無償の愛でしたね。そして治らないと分かっても、太一の愛情はなにも変わらなかったです。
 これは、”どんな命も大切な命”そして”ありのままの存在を受け入れる”ってことを、太一の周りの大人や観ているUKIUKIが改めて心に刻むことのできた素敵な物語でした。

 とは言えUKIUKIほんとうは動物を飼ったり、それ以上に動物がメインに登場するような映画はあんまり好きではありません。自然のままのドキュメンタリーは好きなんですけどね。つい、これ(撮影していること)って 人間の都合で動物たちは不自然な状況に置かれているのね〜なんて目で見てしまうんです。でもまあ、割り切って楽しもうとは、いつも思うんですけどね。だからこの作品も、進んで観ようとは思わなかったので便乗鑑賞です。へレンが発作(?)で暴れたり、ぐったりしてたり、死んでしまったところなんかは、観ていてやっぱり嫌なことやらせてるな〜って思いました。でも鑑賞後にオフィシャルサイト見たら、”本物の子ぎつねとアニマトロニクス、CGを駆使して撮影”って書いてありました。どの部分がっていうのは分からないけど、ちょっとホッとしました。時代は進んだのね!(←今さら・・・笑) 頭を進化させなくっちゃ〜!!