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初恋


 この作品、三億円事件の裏側で”初恋”!?なんて、ちょっとどうなんだろうと思って観始めました。有名な事件と絡めた物語の設定や時代背景を考慮しても若者たちのしていることとか、前半はなんかしょうもないかな〜って感じだったです。

 でも観ていくうちに、みすず(宮崎あおい)の いっぱいの寂しさや切ない切ない岸(小出恵介)への恋心が伝わってきて涙腺が緩み始めました。事件の後、勝手に入り込んだ別荘での みすずと岸の会話がとってももどかしく胸がキュ〜ンと痛むけど、二人で過ごしたあの時間あの会話が救いです。岸もみすずの気持ちを少しは感じていると思うんだけど、そう信じたいんだけど、彼はその気持ちを受け入れることなく ただ優しい・・・、いえあくまでも3億円事件の共犯者として秘密を分かち合う関係であり、何事もなかったかのようにこれから先 みすずが生きていけるようにと気遣っているというふうなんです。
 また物語が進んでいくうちに、みすずの兄リョウ(宮崎将)や他の登場人物もそれぞれに、気持ちを感じられてきてこの作品いいなぁって思えてきました。

 そして・・・岸が残した本を開いた みすず、そこに書き込まれた日記を読んだとたん、UKIUKIは号泣でした。”初恋”というタイトルに、もうなんの文句もありません。みすずは岸を待ち続けるんですよね♪ そして前に進み始めたラストが良かったです。

 あの事件、岸にとっては志叶わず完全犯罪ではなかったのですね。あの成り行きでは、もう姿を隠すしかない状況で、その後結局抹殺されたかどうか確かなことは分からないけど、たとえ生きていても見張りつきでは みすずを守るためには戻ってくることはできないし、彼だったら みすずをこれ以上傷つけないよう連絡もとらないでしょうね〜。。。