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もしも昨日が選べたら


 何の予備知識もなく、つい借りてしまった作品です。キャストのアダム・サンドラー(「ウェディング・シンガー」「ビッグ・ダディ」「50回目のファースト・キス」を 観ました)と邦題のイメージからして、ラブコメかな〜ちょっとタイムトラベル入ってるのかな〜って思いつつ。そしたら確かにそんなふうでもあったけど、イメージしていたものとは違っていました。邦題の『もしも昨日が選べたら』は、内容とは何だかズレた感じだと思いました。それにしても原題『CLICK』は何とも味気ないんだけど・・・。

 家族サービスより仕事優先のマイケル・ニューマン(アダム・サンドラー)は、まぁ彼としては”家族のため”に 働いているんだけど、仕事に追われストレスも溜まっているわけで、家でほんのちょっとTVでもと思っても各種リモコンがあふれていて すんなり使えず これまたイライラ。そんな彼が、何とも怪しげなモーティ(クリストファー・ウォーケン)って男から ”万能リモコン”を手に入れました。しかも ”返品不可”★

 このリモコン、その名の通り ”全て”をコントロール出来るんです。各種電化製品はもちろん、愛犬だって 最愛の妻のドナ・ニューマン(ケイト・ベッキンセイル)だって 2人のかわいい子どもたちだって誰だって !! つまり、うるさい声をミュートにしたり、妻との口論や鬱陶しいつき合いなど 現実の生活を早送りしたり・・・。さらに、過去の人生の追体験もできる。時と場所を選んで見に行けるんです。DVDのキャプチャーを選んで見るようなものです。
 はじめ、このリモコン シンプルな機能だけど ピカピカに青くてカワイイ形だし、近未来SFが好きなUKIUKIにはいい感じの映像も入ってくるし、なんだか面白可笑しいな〜って観てたんですよ。
 でも問題は、早送り機能でした。マイケルは全てをコントロールしているつもりが、そのうちリモコンに自分の人生を勝手に早送りされちゃうようになって、コントロールされているのはマイケルの方だってことに彼もUKIUKIも気づくわけです。もう いらない!って捨てたり壊したりしようとしても”返品不可”で 手放せない。しだいに面白さは消え、コントロールされる恐ろしさが充満★してきて、これは思わぬ展開・・・かなりなブラックユーモアで、笑ってなどいられない状況す。マイケルは 時間も妻も失って惨めな姿に成り果てたうえに、父との最後の時間に 自分が酷く冷たい態度だったことを巻き戻って見てしまいます。大切なものをいっぱい失って 人生の無駄遣いをしてしまったという後悔から、最後に命を懸けて 息子には”大切にすべきもの”を伝えようとするのですが・・・。
 コメディなんだけど、むちゃくちゃ怖くて悲しいお話。こんな重いコメディがあっていいものか、って思うのです。。。
 あっては いけなかったのでしょうね〜〜・・・まあ何とも単純というか原始的というか 後から言うのもなんですがUKIUKIも途中でチラッと頭をよぎったオチですが 見入ってるうちに忘れてたという、そんなドンデン返しに癒されつつ、なぁんだ・・・ずるいよ〜!!って気分。。。