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許されざる者


 かつて酒浸りで残忍な札付きの悪党ガンマンだったウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)が、妻になった女性の影響で別人のようにマトモな男になって、妻が亡くなって三年を経た今ではもう、息子二人と農場で質素に暮らしている。そこへやって来た若いガンマンの誘いは、息子たちの将来のためという切実な思いで彼を再び賞金稼ぎの道へと戻してしまった。
 穏やかで子煩悩で、なんといっても最後まで妻を裏切らないところに胸がキュンとさせられる。そんな彼と、賞金目当てのガンマンとしての彼、異質なのにどちらも彼。。。確かに昔の彼とは違っていたのでしょうが、なんだったんだろうって虚しさが広がって、なんとなく納得できないような、おかしな余韻を感じているのですが言葉になりません。
 マニーの相棒ネッド(モーガン・フリーマン)、町の保安官(ジーン・ハックマン)もまた、味のある虚しさを感じさせてくれました。

 クリント・イーストウッドが西部劇の集大成として撮った作品、アカデミーの作品賞・監督賞ほか、いろんな賞を受賞しました。西部劇といっても、ヒューマンドラマとしての部分に重点のおかれたもので、こういうのも西部劇なんだ〜と、思ってた以上に幅が広い!