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星になった少年 Shining Boy & Little Randy


 日本人初のゾウ使いとなった少年 坂本哲夢の実話を基に映画化された作品だそうです。作品中では小川哲夢、カンヌで最優秀男優賞を受賞してしまった柳楽優弥が、ワンクッション置くにはいい作品だったと思いました。
 作品的には普通って印象だったけど、企画準備撮影を考えるとすごい作品、或いは実話の坂本哲夢のことを考えるとそれはすごい勇気と行動力だったと思います。ただUKIUKIとしては動物を飼い慣らすということにあまり魅力を感じないので、共感したり感動したりはできなかったんです。だから作品の世界に入っていくというよりは、冷静に眺めてるって作品でした。UKIUKIのように象の調教に熱くなれない人のためにか、後半ひと目惚れした(?)女の子や嫌がるランディへの調教を止める母に言う哲夢の言葉で説明というか説得というか納得させられる感じ、そのあたり脚本的に練りに練っている感じでした。
 といっても、哲夢が象と感じ合えるのは凄い、本当に象使いになったのは凄い、それは技術もあるけど心が繋がるってことですものね。彼の短い人生の中に詰まった情熱とか家族特に母への想いもずっと感じながら観ていました。
 俳優さんたち撮影以前に動物たちと馴れ合うのが大変だったでしょうね。象はもちろん他いろいろな動物と自然にふれ合っていて、はじめにそんなことの方に感動してしまった。さらに、哲夢のタイではテツって呼ばれてのゾウ訓練センターでの生活はドキュメンタリーって感じに、上手くできていると思いました。だってファー(子象)にとっては、映画なんて関係なく本当の母象との別れだったのでしょうしテツとの出会いだったのでしょうから。そして物語としては、なんといっても象ですから犬のようにはいかないですね心を通わせるの、でもテツが行方不明になったファーが近くにいるの感じたり、ファーがテツの危険を感じて助けに来たりするようになって、それよりなによりタイ人の生徒とも時間はかかったけど、心が通じ合っていくのが良かったですね。テツはだんだん日に焼けて、見た目も精神的にもずいぶん逞しくなっていきました。
 日本に帰ってきて、最後は悲劇だったけど、物語で大切なのはそれ以前だと思いました。でも、事故の後のシーンで母(佐緒里:常盤貴子)が屋根の上で泣くところ、突然子どもを亡くした母親ってきっとあんなふうだってすごくリアルに思えました。