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ニュースの天才


 本当にあった権威ある政治マガジンの人気ジャーナリストによる記事捏造事件、彼の記事41のうち27が捏造だったそうで、当時これニュースで見て、真っ先になぜもっと早く発覚しなかったのかが不思議でならなかったことを覚えています。その事件が映画になったというので、ずーっと気になっていましたが、やっと今ごろ観ています。

 1998年ワシントンD.C.スティーブン・グラス(ヘイデン・クリステンセン)は、“THE NEW REPUBLIC”に勤める最年少の編集者で、彼の書く記事は面白いし、彼は周りの人への気配りなどは良かったようで、同僚らからは信頼され愛されていたようです。でもある時彼の“ハッカー天国”というスクープ記事をきっかけに、驚くべき捏造の事実が発覚していきます。

 実話と映画がどれほど重なっているか分からないし(実は相当重なってるみたい)、スティーブン本人とヘイデン・クリステンセンが演じるスティーブンの人柄がどれほど似ているかも分からないけど、彼はそんなに巧みに記事を捏造してたのかなあ? 結局彼は怪しそうに見えなかったんでしょうけどね。でも映画で見る限りのスティーブンはバレかけてからの対応も人柄もあまりに未熟すぎるな〜。
 スティーブンは出身高校で学生を相手に、記事ができるまでの「システムには大きな穴がある。」と明かしています。どうしてそんなこと言ったのかなあ。誰かに早く見破ってほしかった!?なんてドラマを勝手に想像して観てしまいます。言い訳に終始する彼からは、そんな様子も見みられないけど。

   映画としては、あんまり面白くはなかったです。特典で、そのときの心境や経緯を本人が語っていますが、その方がよっぽど面白い。彼はチェック係の経験があって、システムを知っていれば難しいことではなかったと言っています。ドキュメンタリーでもないんだし、あれだけ誰も出来そうにないことをしでかしたんですものもっと魅力的な人物像を作り上げちゃうとか(不謹慎ですね)、しつこいほどのチェックシステムなのに見破れなかったという滑稽さをもっと見せるとか、エンターテイメント的にもっと面白いドラマにしても良かったのにな〜と思いました。また同僚たちを騙す綿密な”嘘”を準備するほうが大変そうで、それほどまでして捏造記事を書き続けたという、その辺りの心理的な部分を映画にする方が面白かったのではとも思いました。