My Comment

頭文字[イニシャル]D THE MOVIE


 ”しげの秀一の同名人気コミックを、CGを使うことなく完全実写で映画化した”という、カー・アクション・エンタテインメントで、ストリート・レース・バトルに挑む若者たちの青春を描いています。ドリフト走行や“溝落とし”などホント見事なカー・アクションを見ているだけで楽しい! 「トリプルX」「TAXi」シリーズなど好きだし、スピードアクション系好きなんですよ。息子にもウケそうやわ〜、今度勧めます。でも絶対真似しないで!!って念を押しとかないと(笑)

「インファナル・アフェア」のスタッフ・キャスト陣が中心になってるようで、「赤城レッドサンズ」のリーダー高橋涼介にエディソン・チャン、「妙義山ナイトキッズ」のリーダー中里毅にショーン・ユー、かつて「秋名最速の走り屋」と呼ばれたが今は豆腐屋の藤原文太にアンソニー・ウォン、レーサーになるのが夢という主人公の友人でアルバイト先のガソリンスタンドの息子立花樹にチャップマン・トーといったキャスティング。主人公は、家業豆腐屋の配達のため毎朝父親のハチロク(AE86)を走らせ、 父親譲りの才能と知らず知らずのうちの訓練でドライビング・テクニックを身につけていた藤原拓海(ジェイ・チョウ)で、彼に好意を持つ幼なじみ 茂木なつき(鈴木杏)との甘酸っぱい初恋も描いています。舞台や登場人物などの基本設定が原作のままでなんだか面白いですが、”豆腐の配達”に変わる設定が見つからなかったのかな。

 見どころは何といってもカー・アクションですが、この作品初めから終わりまで気持ちよく楽しめました。バトルを申し込んだりそれを受けたり・・・、勝ち負けが決まってその後も・・・、誰かをハメたりズルしたり汚いマネする人いないんですもの。汚いといえば車酔いのシーンは見たくなかったけど、まあプロのレーサーってのがちょっとブツケテきたりはご愛嬌かな。そして、はじめ飲んだくれのダメオヤジだと思った文太が実は・・・と、ハチロクの完璧なチューンアップや 息子に影ながら期待をしているという、彼の人生や夢がジワ〜っと感じられてくるところが良かったです。拓海の才能を感じて嬉しくってしかたがないって様子や、拓海が速い走り屋になってきたこと、そしてレースに勝ったことを喜んでいるのが表情に出てしまう文太が、いいんですよね〜。また拓海が なつきの隠された生活を知ってしまうあたりも、ちょっとした香辛料になっていました。とにかく、彼らは車のチューンアップやドライビング・テクニックを磨くことに励み、命がけとも思える勝負に挑むんです。そして、さっぱりと勝敗を受け入れて今度また・・と気持ちを切り替えるところなんか、ほんとうに純粋で爽やかな青春って感じでした。涼介は毅とのやりとりでは技術的な考えを隠すことなく話し、拓海にはチューンアップについて教え、最後に拓海に負けてもその力を認めて仲間に誘うという、むちゃくちゃカッコイイ青年でした。また、毅の笑顔もなんか嬉しかったな〜。周りで応援している若者たちも、みんな明るいし。事故っても人死なないし、暴力ないし、なんだか穏やかな雰囲気を感じつつギリギリのカー・アクションを観ていました。