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ティム・バートンのコープスブライド


 19世紀ヨーロッパが舞台で、魚の缶詰業成金と落ちぶれ貧乏貴族が、上流階級へのし上がるために息子のビクター(声:ジョニー・デップ)と娘のビクトリア(声:エミリー・ワトソン)を結婚させようとしています。政略結婚ではあったけど、二人は出会った瞬間にひと目惚れ♪ 二人でピアノを弾くシーンは素敵でした。ところがある日森の中で誓いの言葉を練習していたビクターが、誓いの言葉の後に練習のつもりで結婚指輪をはめた枯れ枝のようなものは、実は花嫁になり損ねて亡くなった娘の人骨だったのです。死体の花嫁”コープスブライド”のエミリー(声:ヘレナ・ボナム=カーター)は喜んで、ビクターを死者の世界にひっぱり込んでしまいました。

 この作品、ケースの絵を見て「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」と同じ空気を感じてずーと観たいと思っていたのですが、いつ見てもレンタル中でやっと手にすることができました。「ナイトメアー・・・」はお勧めされて観たのですが、かなり魅せられた作品です♪
 ところで、ティム・バートンがかかわった作品には、次のようなのがあるそうです。

・ チャーリーとチョコレート工場 (2005) 監督
・ ティム・バートンのコープスブライド (2005)  "Anime" 監督 /製作
・ ビッグ・フィッシュ (2003) 監督
・ PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) 監督
・ マリオ・バーヴァ 地獄の舞踏 (2000) <TVM> 出演
・ スリーピー・ホロウ (1999) 監督
・ ジャイアント・ピーチ (1996)  "Anime" 製作
・ マーズ・アタック! (1996) 監督 /製作
・ バットマン・フォーエヴァー (1995) 製作
・ エド・ウッド (1994) 監督 /製作
・ キャビン・ボーイ/航海、先に立たず (1993) <未> 製作
・ ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993)  "Anime" 製作 /原案
・ バットマン リターンズ (1992) 監督 /製作
・ シザーハンズ (1990) 監督 /製作 /原案
・ バットマン (1989) 監督
・ ビートルジュース (1988) 監督
・ ピーウィーの大冒険 (1985) <未> 監督
・ フェアリー・テール・シアター/アラジンと魔法のランプ (1985) <TV> 監督
・ フランケンウィニー (1984) 監督

 なんかいろんなのあるな〜って印象ですが、ファンタジーっぽいのが多いみたい。けっこう観た作品が入っているけど、「ナイトメアー・・・」以外はほとんどComent残してないわ(苦笑)「シザーハンズ」「PLANET OF THE APES」は好き。「マーズ・アタック!」も面白かったけど、「M.I.B」の方が好きっていうのがあって・・・。「ビッグ・フィッシュ」はこの中ではちょっと雰囲気が違ってるな〜、楽しめました。あといろいろ・・・。どうしてもUKIUKIにはダメだったのが「スリーピー・ホロウ」「チャーリーとチョコレート工場」でした。

 この作品はアニメってことなんだけど、それがキャラクターはCGではなくパペット(人形)のストップ・モーションで撮られています。そしてそのキャラクターの表情が、もうなんとも豊かで堪りませ〜ん!!また映像の隅々の細かい表現が楽しいし、やはり描いている世界からしてブラック・ユーモアがあちこちに転がっていて楽しめます。音楽も雰囲気を盛り上げる重要な要素で、時にはミュージカル風に歌でも語ります。

 時代背景からして、生者の世界全体に抑圧された空気が充満し、そんな雰囲気をくすんだ色調で描いています。社会の中で自由な意志だけで人生を送ることはできないビクターとビクトリアでしたが、そんな二人の間に愛が芽生えたのは幸運でした。しかしビクターは、突然死者の世界へ紛れ込んでしまった。社会のしがらみから解放された死者の世界は、生の世界と対照的に色とりどりの鮮やかさ、楽しく気ままな雰囲気で暮らしているみたい。ゾクッとするような怖い情景もあるけれど、ワクワクするような活気に満ちている。この物語は、そんなふたつの世界が交わってしまう面白さが魅力です。
 ところがそんな中でも、エミリーの心の中には花嫁になることへの未練を残している悲しさがあって、ビクターもそれを感じていったと思います。ふたつの世界を行き来するようになったビクターとエミリー。ビクトリアには新しい結婚の話が持ち上がります。彼は死体の花嫁と結ばれることになるのでしょうか。。。ビクターとエミリーとビクトリアのラブストーリー♪だ〜れも悪くないんですよね。
 なんだか、骨々なキャラクターたちのグロい姿を見てきてロマンチックという雰囲気でもなかったけど、最後はちゃ〜んと切ない感動に包まれました。