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絶対恐怖 Booth ブース


 佐藤隆太の初主演映画だそうで、ラジオ番組の人気DJ勝又真吾を演じています。
 彼のいろいろある出演作のうちUKIUKIは「いぬのえいが」「海猿 UMIZARU EVOLUTION」「LIMIT OF LOVE 海猿」と「輪舞曲 〜RONDO〜」をちらっと観ただけなのに、彼ってなんとなく ”笑顔・面白い・いい人・実は真面目で考え込む”というイメージがUKIUKIにはできちゃってます。

 勝又真吾もまたそんなイメージ通り、いえちょっと我がままそうな感じはするけど、お調子者でよく喋る面白い人だけど聴取者の相談には心ある回答で応えているDJって感じで深夜生放送”勝又真吾の東京ラブコネクション”が始まります。ところが・・・。
 この日は局の移転に伴い普段使われていないDJブースで放送していたのですが、やがて奇妙な混線が始まり・・・。そこは開局当時、アナウンサーが怪電話を受けたあと首を吊ったというブースだったのです。オープニングのこのシーンは、かなり怖かったです。そして真吾は、番組の趣旨が崩れていってイラついていくのですが、それが自分の過去や現在の状況あるいは周りの人間の存在と重なる部分が脳裏をよぎり始め、その動揺が次第に大きくなっていき、それと同時にはじめの真吾のイメージはガタガタと崩れていって、ほんとうの彼が見えてくる。その人格が壊れていくという様を、狭いブース内で動きもほとんどなく真吾の口調や目つきや周りの者への態度で見事に見せる佐藤隆太。UKIUKIは、こんな彼を観たことなかった。良かったです。
 そしてそこは呪われたブース。彼が感じる周りの人間の彼に対する感情や行動は、現実か妄想か・・・。そして彼の結末は。。。

 ということで、これはUKIUKIの苦手なホラー。キャーッって騒いでるようなホラーって全然面白く(怖く)ないんですよね。でもこれは、ホラーとしては地味だったような気がするけど、勝又真吾という人物の本質に彼自身が気づいていくという薄ら寒さを感じて、楽しめました。