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二重誘拐


 ビジネスで成功し豪邸暮らしのウェイン・ヘイズ(ロバート・レッドフォード)がある日、かつて面識があるというアーノルド(ウィレム・デフォー)という男に誘拐されて、山の中を共犯者との合流地点を目指して歩き回らされます。
 一方ウェインの妻アイリーン(ヘレン・ミレン)は帰らぬ夫が心配で捜索願を出し、息子夫婦や娘も戻ってきました。FBIによって事件の背景が洗われていきます。

 これらが平行して交互に描かれていきますが、途中で時間的には前後にずれていることに気づきました。これは共犯者を想像させるためのワザ、そしてラストへの伏線となっていたようです。
 この邦題からどんなサスペンスが繰り広げられるのかと思ってしまいました。この誘拐の裏に何があるのか、もしかしたら誘拐の仕掛け人はウェイン自身か、・・・全く的外れでした。ラストまで観て、な〜んだ!と思うのは邦題のせいです。

 これは対照的な人生を歩んできたウェインとアーノルドの心理的な駆け引きにドキドキしつつ、誘拐をきっかけにウェインとアイリーンや家族たちとの関係をそれぞれが見つめ直すというドラマでした。でも、どれをとっても中途半端な描き方だったような気がして残念です。