My Comment

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち


 青年ウィル(マット・デイモン)は学校で掃除夫などしながら親友チャッキー(ベン・アフレック)ら仲間と遊んだりして気軽に暮らしているふうだけど、実は凄い天才。高名な数学教授のランボー(ステラン・スカルスガルド)がそれに気づき、彼の才能を生かすべく手を伸ばしますが、殻に閉じこもって心を開きません。しかもウィルは何度も警察沙汰まで起こしています。そしてランボーの紹介した誰もが、ウィルの頭に負けてサジを投げるしまつ。最後にランボーはかつてのライバルで、今では亡くした妻への想いだけで生きている精神分析医のショーン(ロビン・ウィリアムズ)を紹介します。

 なぜウィルは人を信用せず殻にこもるのか。天才ということ以前に、親に捨てられ里親のもとでも愛に包まれることがなかった幼い頃、虐待まで受けた心の傷を抱えていることが分かってきます。スカイラー(ミニー・ドライヴァー)と付き合い始めても、結局彼女の愛を受け入れられないし、才能を生かそうという意欲もありません。

 なんて切ない物語なんでしょう。。。最近観ていた「YASHA」の”凛”と重なるな〜って思いました。愛を知らずに育った天才青年の物語です。 ウィルが本当にしたいことは何か。。。ということが問われる展開も重なるところでした。

 ウィルは親友には恵まれていましたね。ただブラブラと遊んで騒いで過ごす仲間ってだけではない、チャッキーがウィルのことを本当に思ってくれていることが分かったときは観ていて嬉しかったです。その気持ちは、ウィルにもきっと届いたんだと思います。
 そしてウィルとショーンがお互いに共鳴しあいながら、これからの人生に新たな旅立ちをしようと決意していく姿にあたたかさを感じる素敵なラストでした。

 実は何年かぶりにリピートして、これを書いています。前に観た時は、マット・デイモンに何となく馴染めなかったのと、せっかくのウィルの才能が無駄になってしまうようなのが不満で心から感動できなかったようなこと思い出しました。でも今回は、これで良かったと、救われたような気分です。ウィルの心の中が愛で満たされれば、きっとこれから才能を生かしていく道が開けていくと思いました。

 ベン・アフレックとマット・デイモンが、こんな素晴らしい脚本を書いたんだと、今までは賞を取ったといっても何とも思ってなかったのですが、改めて感動してしまいました。