My Short Comment

21グラム


 人は誰でも死んだ時に21グラムだけ軽くなるのだそうで、肉体以外のそんな部分(“魂”でしょうか)に対してどんなふうに描いているのかと観てみました。
 ある心臓移植をめぐって、全く交わるはずのなかった3人、余命わずかなポール(ショーン・ペン)、何度も刑務所に入ってきたけど信仰心に目覚めてしまったジャック(ベニチオ・デル・トロ)、夫や2人の娘と共に幸せに暮らしていたクリスティーナ(ナオミ・ワッツ)の運命が絡み合い、家族との関係も絡んで命や死や愛が描かれています。行きつ戻りつする展開とギュウっと詰まった感情に抱きかかえられ、物語に沈み込んでいくような重い感覚を味わいました。
 この作品をちゃんと理解したかどうかは全然自信がないのですが、登場人物それぞれの思いに触れることはできたような気がします。でも一人だけ、一番身近に感じるようなクリスティーナがドラック絡みで感情移入できませんでした。彼女をごく普通の女性では描けなかったのでしょうか。せっかくジャックの思いもなんかわかるような気がしていたのに、みんな変わった人ばかりなんだ〜と思うと、全体がすぅーっと遠くに行ってしまったような気がしました。