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モリー先生との火曜日


 スポーツキャスターとして日々奮闘しつつ恋人との愛に行き詰まりが生じているミッチ(ハンク・アザリア)が、死を間近に迎えたかつての恩師モリー(ジャック・レモン)と再会して人生について見つめ直し、自分が目を背けてきたことのあることに気づいていくお話でした。

 ミッチを取り巻くあまりにセカセカした慌ただしい雰囲気には、ミッチがそういう現状に生きているってことでわかるんだけど、もう少しゆったりと味わいたいよ〜って気がしました。それと''先生''であり続ける‘コーチ’ことモリーにちょっと抵抗感があって、つまり録音を録るという設定のことだけど、もうただのお爺ちゃんとしてミッチが毎週火曜日に訪ねずにはいられない存在だけでよかったような気がします。でも逆に、ジメジメした暗い気分に陥ることなく観ていけたのは良かったです。
 ジャック・レモン最後の主演作となったTV映画だそうで、温かくてお茶目で正直で包容力と愛に溢れる人生観・・・本当に魅力たっぷりのモリーお爺ちゃんには、さすが名優と感じさせてくれました。そして何度となくホロリと画面が温かくぼやけて、でも微笑んでしまっているUKIUKIなのでした。
 UKIUKIにとっても必ず訪れる死を、ただ恐ろしいこととしてではなく幸せに感じて迎えられるように、そのために今をどう生きようかといつもあれこれ思い巡らせたりするのですが、これってちょっとおかしいのかな〜とか思ったりもしていたけど、普通の生活を生きている中でそれって当たり前のことだよって受け入れてもらえたような気がしました。
 環境や仕事やいろんな立場が違っても、全ての人に通じる人生について語られていると思いました。