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スナイパー 連続狙撃犯


 2002年米国首都ワシントンD.C.近郊で発生した無差別連続狙撃事件を基に、あやふやな目撃情報や誤ったプロファイリングによる的外れな捜査が次々と犠牲者を生む時間を狙撃犯に与えていくなか、事件捜査に携わる者の焦り悲しみ苦しさといったものに目を向けて事件を描いた作品です。
 作品前後に脚色があると断り書きがあるので、実際の事件を基にした作品ではあるけれどドキュメンタリーでもなく、郡警察署長のチャールズ・ムースを中心に過去に例のない捜査に携わった者に目を向けたところにねらいのあるクライム・サスペンスということでしょうか。だからと言うわけでもないのでしょうが、被害者やその家族の思いや一般市民の''恐怖''や犯人二人の内面はほとんど描かれていないというか伝わってこないのが残念です。当時のニュースでじゅうぶん異常な事件としてショックだったし誰もが被害者になるかもしれないという恐怖をこんなに離れた国にいても感じたのですから、こんなものじゃないでしょうっていう物足りない思いで最後まで観てしまうことになりました。