My Comment

ニューヨーク最後の日々


 イーライ(アル・パチーノ)は嘘やハッタリも道具にして長年培った人脈を頼りに芸能人や政治家の広告宣伝活動を取り仕切るメディアの仕掛け人''パブリシスト''としてNYマンハッタンで生きてきた。彼は今、生涯はじめて彼の魂が手がける「難民救済を呼びかける慈善パーティー」を成功させようと奔走しているが、実はもう身も心も疲れきっていた。そしてとうとうこれを彼の最後の仕事として、その後は亡き弟の妻ビクトリア(キム・ベイシンガー)と静かに暮らす約束をするのだった。

 パブリシストというのは、時にはスキャンダルのもみ消しも仕事のうちなんだそうで、イーライがパーティーの目玉にと出席を交渉しているクライアントのケリー(ライアン・オニール)が、暴行事件を起こし警察に連れていかれた愛人ジリー・ホッパー(ティア・レオーニ)の保護を依頼してきた。  人生を賭けたパーティーの根回しも思うように進まない中、ドラックパーティーや選挙まで絡んだケリーのスキャンダル始末のためジリーを連れ出そうとするのだが、イーライ自身も薬漬けの体で意識もうろうとしている間に事件が起こり・・・。
 パーティーはどうなるのか! イーライのNY生活の締めくくりに向けて、物語は展開するのでした。

 かなりの誇張があるんだろうな、いや〜あんなモノかもしれないと、ふだん馴染みのない世界を野次馬根性で覗くような作品でした。イーライはパブリシストとしてかなりの力を持っていたようですが、今となっては信用があるのかイマイチなのか微妙でとにかく必死でやってます。おまけに薬でボロボロになったくたびれ方が酷い。それにしても、長年想い合う気持ちを育んできたのでしょう、ビクトリアとの関係は上品ですね。パーティーを最後に・・・という決断にはホッとしました。

 UKIUKI実は出演者にティア・レオーニを見つけて借りてきた作品です。ジリーはオックスフォード出のモデル・TV女優というキャラクター、オォ〜ピッタリじゃぁないですか。ところがかなりすさんだ状況で、なりふり構わず感情むき出しになったりドラッグパーティーに出入りしたり、大切に扱われていない女性の思いどうりにならない人生の苛立ちを感じさせる悲しいパワーと虚脱感を併せ持つ演技に見とれてしまいました。ジリーが捜しまわっていた''大人のトーイ''が実は裏の陰謀に気づかせるものだったのですが、何事もなかったように事件が抹殺してしまうのです。プライベートのティアは綺麗で可愛くて妻として母として素敵な家庭を築いていてUKIUKIの憧れの女性ですが、ここではアル・パチーノと対等に絡む女優さんとしてのティアが見られて嬉しかったです。