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ハンテッド


 コソボで特殊部隊の精鋭として活躍したアーロン・ハラム軍曹(ベニチオ・デル・トロ)は、4年後、オレゴンの森の中で4人のハンターを殺し追われる身になる。
 この作品、トミー・リー・ジョーンズに目が止まって借りてしまいました。彼はハラムを追うトレッカーL.T.の役。そしてL.T.自身がかつてハラムにサバイバルと人の殺し方を教えた教官だったのです。

 ハラムはもちろんですが、年齢的にずいぶんハンディがありそうなL.T.がやたら強いです。スピード,技のキレ,そしてタフな身のこなし。でも血だらけの惨いシーンUKIUKIはこういうの、大掛かりな戦闘シーンより残酷さを感じて苦手です。それでも彼らのサバイバルの能力や僅かに残された痕跡を読みとったりするところなんかは興味深かったです。

 じつは実際には人を殺したことのないL.T.は、ハラムに罪を償うように一瞬説得するのですが・・・。後はひたすら逃げるハラムと追うL.T.。何となく観ているのが空しくなるようなこの作品のUKIUKIにとっての価値は、詳しく描かれていない4年間を想像させるところにあるような気がします。ハラムがL.T.に出していた手紙の存在。森の中で出会った時、ハラムはL.T.と話そうとしていました。そして大切な人の存在。その家の奥の部屋でL.T.を待っていたかのようなハラムは、その時まで本当にすでに元には戻れない殺人マシンだったのでしょうか。。。

 二人の本心のぶつかり合いがない展開なうえに、それぞれの気持ちを言葉で語ることもほとんどないけど、きっと4年と最後の日々で彼らの感情は、平凡な人の何倍も揺れ動いたのに違いないと思うのです。あ〜やっぱり本当は想像するだけでなく、そう言ったところのドラマを観たかったな。