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キル・ビルVol.1


 かつて自らも一員だった''毒ヘビ暗殺団''に結婚式を襲撃され、夫やお腹に宿る子を殺されたザ・ブライド“ブラック・マンバ”(ユマ・サーマン)は、4年の昏睡状態から奇跡的に意識を回復して、復讐を開始した。彼女がDEATH LIST FIVEのラストに記したのがボスのBILL(デヴィッド・キャラダイン)だった。
 ところで、この暗殺団がどんな組織なのかとかブラック・マンバの結婚までの過程が語られていないのだけど、冒頭の襲撃シーンで、BILLが彼女を撃つ瞬間まで、二人にねじれた愛情関係がまだあることが匂わされていました。

 何でもアリさ受け入れるよ、だから楽しませてくれっ!って勢いで観ました。Quentin Tarantinoワールドを堪能している方たちがいる一方で、あれこれツッコミまくってとても受け入れられないって感想を見たりします。確かにわざとの部分をのけてもその通りってツッコミどころあれこれですが、せっかくなら楽しまなくっちゃ! それに観ていくうちに、この作品でツッコムのは意味がないって思いました。ということで、今までに観たことない感じの作品でなかなか面白かったです。

 いきなりバッチくて痛々しいアップが・・・なんかイヤな雰囲気。次のシーン、リスト2番目のコッパーヘッドに復讐、こんなのが続くのかな。でもその後時間軸を自由に行ったり来たりのシーンごとにまるっきり違うテイストで驚きの連続、ウンこれならイイかも・・・って感じで、とにかくいろんな角度からいろんなアイデアでいっぱい見せて楽しませてくれます。

 映画とアニメが融合したような作品だと思いました。
 人がやたら死にすぎ!なとこ個人的に見ていて面白くないんだけど、でも首や手や足が飛び血が噴き出すところなど現実感はなくて、たぶんコミック本の表現はこんな感じゃないかなと思いました。現実とかけ離れた世界として見られるので、全体的にはエンターテイメントとして楽しめる要素がいっぱいの作品ということです。見どころの青葉屋での大乱闘(数で見せるっていう部分については実はあまり好きではないけど)そして日本庭園でのオーレン・イシイ“コットンマウス”(ルーシー・リュー)との死闘は、まあ本物の殺陣を愛する方が見るとどうなのかは分かりませんが、刀さばきも鮮やかでかなりの見応え。服部半蔵の刀って刃こぼれしないのか、凄い切れ味! また随所で日本刀を美しく見せようともしていて、光と影を上手く使って、セットにもこだわり、印象深いシーンがたくさん見られます。
 映像・BGMの選択・俳優の起用からセットのつくりまで、監督の日本への思い入れが感じられ、ハリウッド映画の中でのニッポンの描き方としても新しい感じで、ついニヤッとしてしまうところがあちこちにありました。

 おっ!ラストにVol.2への伏線が・・・。そういえば途中にも、もしかして?!ってのがあったけどどうかなあ。Vol.2はThe Love Storyだそうで、どんなふうになっていくのか楽しみです。