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地球は女で回っている


 小説家ハリー・ブロック(ウディ・アレン)の私生活はだらしなく豊富で情けなく飽きもせず懲りない色事で自らをがんじがらめにしています。何度も繰り返した結婚、浮気、娼婦も買いまくり、おまけに酒や薬、精神科医にも世話になっているのです。そして彼はそのゴタゴタや、自分を含めた周りの人を小説のネタにベストセラー作家の地位を築いているのでした。
 ところが最近、自分自身のことを書いている彼は、作家として壁にぶち当たっているのです。生まれて初めて書けなくなって、しかも現実と想像の世界が区別できなくなっています。
 これはひと癖もふた癖もあるウディ風ラブ・コメディーです。

 いきなりですが、品がないしロマンチックでもないラブコメって・・・、好みじゃないな〜。
 でも・・・ハリーと豪華キャストらの演じるどこかおかしい風(?)キャラたちの織りなす人間模様が、実は小説の中の登場人物が絡んでいるのだったり、またそれがハリーや彼の周りの誰かをモデルにしていたりと、面白い描き方をしています。そのうえ現実とも交錯しているわけで、かなり複雑なんだけど、それほど難解な感じがしなかったです。それぞれのキャストが演じるショート・ストーリーを楽しんでいるうちに、物語が進んでいくという展開で、ウッディ・アレンのハリー役としての個性と、監督としての個性で、思う存分彼のユーモアを味わえる作品だと思いました。