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チョコレート


 人種差別主義の白人男性ハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)と、夫を死刑で亡くしたうえに息子を事故で亡くした黒人女性レティシア(ハル・ベリー)に、愛情が芽生える。

 始めのうちは、この映画のどこがいいのかなあ・・と思っていました。ハンクの息子ソニーだけはちょっとホッとする存在だったのに、やっと自分らしさを主張するのだと思った瞬間に・・・。
 親の期待するような自分ではないことに気づきはじめ、親から染み込んでできた自分の殻からどう抜け出すかは、ソニーの問題であったばかりでなく、ハンクの問題でもありました。
 悲しいことにハンクはソニーの死でそのことに気づいたのですが、それからの彼は自分の気持ちに正直になっていくところが良かったです。
 心の支えになる人がいなくなっても、それでも気丈に頑張っているレティシア。ハンクと出会っても心の底では慎重になってしまうところ、すごくわかるような気がします。そのうえハンクは夫の処刑にかかわった看守であったことがわかってしまうところは、悲しすぎます。でも彼の気持ちが本物であることも伝わってきます。  さり気ないラストシーンだけど未来が明るく感じられるラストで、とっても良かったです。最後まで観て、しみじみといいなあと感じられる映画でした。

 ハル・ベリーはメリハリのあるパワーあふれる演技と美しさに見とれました。ソーントンは気持ちの変化がしみじみと感じられる淡々とした演技に見とれました。