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ジャスティス


 戦争映画は見終わった後いつも重い気分になるのですが、この映画は不思議とそんな感じではなかったです。と言っても全体にシリアスな内容で、ドイツの米兵捕虜収容所で起こった殺人事件の裁判がストーリーの中心になります。でも見どころの中心は、アメリカ人捕虜のリーダー マクナマラ大佐(ブルース・ウィリス)と彼に嫌われたハート中尉(コリン・ファレル)や捕虜米兵内とナチスのビッサー大佐(マーセル・ユーレス)を含めての人間関係で、そこには黒人差別が大きく絡んできます。そしてやがて見えてくる脱走計画・・・。

 戦争映画、法廷映画、ヒューマンドラマ、サスペンスと盛りだくさんの要素を詰め込んだ映画でした。途中あれこれ考えさせられた後、ラストは限界ギリギリ二転三転の盛り上がりで「楽しめました」。この言葉、UKIUKIは戦争映画では使いたくないと思っているのですが、この作品ではいかにも都合良く作られた感動に浸るのも悪くないと思える、 シリアスではあるけれどエンターテイメントと割り切って楽しめる展開でした。

 また俳優さんたちの演技も楽しめました。ブルース・ウィリスは貫禄があったし、コリン・ファレルもすごくよかったです。マーセル・ユーレスはナチス的な部分と人間的な部分をどう折り合いつけているのかと興味深い存在を見せてくれました。テレンス・ハワードが演じる誇り高い黒人少尉のスコットも素敵でした。