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容疑者


 誘拐殺人犯の父を8歳の時に処刑され、その息子であることの重荷を乗り越えて今ではNY市警の刑事となったビンセント・ラマーカ(ロバート・デ・ニーロ)のもとへ届いた知らせは、ドラッグ売人殺しの容疑者が離婚した元妻と住んでいた息子のジョーイ(ジェームズ・フランコ)であるということだった。

 デ・ニーロって超大作っていうよりは何でもなさそうな普通っぽい作品に次々出演しているような気がするのですが(もちろんいいな〜っと思う作品がいくつも入っていますが)、これも観賞後に知ったところによるとピュリッツァー賞受賞作家が描くロングアイランドで本当に起こった殺人事件の物語というものの、途中まではドラッグ中毒のすさんだ生き方してる若者の同情の余地もない殺人事件と冤罪の話か〜ってあまり興味も持てず我慢して観ていたら、後半父への想い子への想いが湧き上がってくる展開で、最後にちゃあんと感動させてくれました。やっぱりデ・ニーロは凄い!今までに演じた父親の中でもかなりいいと思いました。
 ラストでジョーイがパトカーの中から父を振り返る、あのシーンがあってすごく良かったです。前半からは考えられない意外なほど後味のいい作品でした。