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9デイズ


 チェコ共和国の首都プラハ、アタッシュケース程度の大きさでも威力はマンハッタンを壊滅できるほどというポータブル核爆弾(P.N.B.)の売買が行われようとしている。それはCIAの仕掛けた囮作戦だった。仲買人マイケル・ターナーの正体はCIAの諜報員ケヴィン・ポープ(クリス・ロック)、バイヤーとして姿を現したのは伝説的CIA諜報員ゲイロード・オークス(アンソニー・ホプキンス)だった。取引相手はロシア・マフィアのアドリク・ヴァス(ピーター・ストーメア)、10日後にP.N.B.と金の送金を確認しあうことになった。
 ところが帰り道ケヴィンはP.N.B.を狙うテロリストに殺されてしまう。人類の未来を守るため、取引を成功させP.N.B.の破壊力を解除するためには、仲買人マイケルの存在がどうしても必要だった。
 そこでCIAはケヴィンには生き別れの双子の兄弟ジェイク(クリス・ロック二役)がいることに目をつけ、取引の日までの''9日間''でジェイクをマイケル・ターナーに仕立て上げる賭けに出た。

 緊張感張りつめる囮捜査、優秀な敏腕諜報員ケヴィンの洗練された身のこなし、大物諜報員オークスの渋い貫禄、シリアスでかっこいいオープニングはUKIUKIのツボです。アメリカはヴァージニア州ラングレーCIA本部、ジェイクに諜報員ケヴィンを叩き込むための特訓、シール捜査官(ガブリエル・マクト)がクールだわ。あれっこれってコメディー!
 ジェイクは軽いノリの勢いとしたたかさでいいかげんに生きている普通の男、突然人類の運命を任されてしまうわ命は狙われるわで大騒ぎ、クリス・ロックらしく笑わせてくれます。シリアス好み(?)のUKIUKIには少々おふざけが過ぎるようにも思いましたが、徐々に諜報員らしくなっていく姿にはガンバレ!ってすっかり入れ込んでしまいました。
 それにしてもオークス役のアンソニー・ホプキンスがすごく良かったです。意外にも身軽にアクションをこなし、厳しさのなかにも穏やかさのある役柄で、イメージや年齢からも「えっ!?」って感じで楽しませてもらいました。
 迫力のある後半の展開は面白かったし、ユーモアのあるラストは最高の締めくくりでした。