Comment page 2008.9.19 renewal


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影武者
(1980)


 いつか観てみたいな〜って作品でした。黒澤映画というのは知ってましたけど、だからというより ”影武者”というタイトルに好奇心をくすぐられてたんです。あら〜!監督だけでなく脚本もプロデューサーも黒澤明、流石!!思うがままに制作できますものね、そうなんだ〜! 認識不足でしたスミマセン。そしてカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品なんですね。

 いったい誰の影武者なのかも知らずに観始めましたら、武田信玄だったんですね。そういえば、信玄は病に臥しているらしく生きているのか死んでいるのか謎だったときがあったような。二役を演じる仲代達矢が絶妙です。盗みの罪で逆さ張付けになる寸前、身なりを整えれば兄と瓜二つになると見抜いた信玄の弟 信廉(山崎努)に貰われたのでした。信廉は長年信玄の影武者をやってきました。兄弟関係は良さそうだけど、本心ではそんな人生から逃れたかったでしょうし、それに二人が同時に居なければならない場が成り立たないというのもあって別人を必要としたのでしょうか。信廉は影武者として生きる者の葛藤や辛さを知っています。その後、信玄の遺言で死後3年間は生きていることにするのですけど、次から次へと降りかかる難題に信廉はじめこの策略を知る周りの御付きの人たちが頭を痛め右往左往することになります。さて影武者本人はというと、これが案外大胆な言動でその場しのぎをやってのけていくのでしたが・・・。
 っで、時は戦国時代。戦のシーンもいっぱいですけど、戦いそのものは直接的ではない描き方で視線は戦略的なところにあり、影武者や武将たちの思いや振る舞いを描いていきます。
 また信長が・・家康が・・彼らのシーンも興味深かったです。UKIUKIはどうしても信長に注目しちゃいました。”敦盛”舞ってるし。

 ネットでチラッと見かけた感想だと、これは黒澤映画らしいとか らしくないとか、いいとか ガッカリだとか、まあ映画ってそんなもんだけど、思ってた以上に映画通らしい方たちのしっかりした感想(?)でダメ出しが・・・。
 でもUKIUKIは、単純におもしろかったです!! 影武者として生きることになった男の振る舞いにドキドキしながらそこに醸し出されるユーモアは可笑しくもあり悲しくもあり、また彼の心境の変化や周囲の人たちとの気持ちの絡みが見所だったりします。人の情も感じられて途中何度かホロリとしちゃいましたし、奥ゆかしい城内或いは壮大な野外映像も凄いな〜って思えたりで楽しめました。
 黒澤映画はほんの何本かしか観てないですけど、前もやったしこの映画でも・・エンターテイメントとしての映画を追求してるんや〜!!って思うんですね。だから難しくない、無理なく観ていられて感じて楽しめるってUKIUKIにはそういう印象です。 (Comment2011.2.10)