Comment page 2008.9.19 renewal


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劔岳 点の記
(2009)


 明治末期、日本地図完成のため 測量手 柴崎芳太郎(浅野忠信)ら測量隊とその案内人 宇治長次郎(香川照之)は、最後の空白部分である未踏峰の劔岳初登頂をめざしました。時同じくして、小鳥烏水(仲村トオル)をリーダーとする日本山岳会も最新装備で初登頂をめざします。

 柴崎芳太郎ら測量手は、陸軍参謀本部陸地測量部に所属するんですね。日本地図が 国防のために作られたものとは、知りませんでした。
 劔岳初登頂にこだわっているのは軍上層部のプライドや意地 或いはマスコミの目線で、そんな周りが思うほど、いえ周りに煽られて意識はしたかもしれないけど、実際山に登る者たちには それほど競争意識はなかったんだと思います。そこにあるのは、勝ち負けではなく、人を寄せ付けないかのように厳しく立ちはだかる大自然に挑みながらも、その大自然に逆らわない謙虚さだったと思います。淡々とした展開で特に盛り上がりもなく少々退屈ではありましたけど、あくまでも正確な地図を完成させるために劔岳に登ろうとし、いろんな地点で測量をしている姿を描いていたのは好感が持てました。

 CGに頼らないで 生の大自然を相手に撮影したというプロモーションを垣間見て、UKIUKIとしてはかなり構えて観なくっちゃ あんまり観たくないかな〜と思っていたのですけど、まっTVでするならと録画してあったのを観ました。UKIUKIとしては、良かったのか悪かったのか ものすごく厳しい撮影だったというのをあまり感じない映像だったし、ドラマとしても穏やかな展開にちょっと肩透かし感が・・ 正直戸惑いを感じてしまいました。映像の中の自然は、とっても美しかったです。

 やっと登頂したらそれが初登頂ではなかったとか、彼らの業績は”点の記”に記録が残らなかったというのはありましたけど、それでも終盤の展開があまりにも出来過ぎな印象でした。エンドロールでも分かるように、過酷な大自然を相手にする人間たちの、そして彼らを描く作品を作ろうと撮影にかかわる人たちも含めての仲間意識を、観せたかったのかな〜って思います。そして見終わった後に引きずらない 意外にもサッパリした作品だと思いました。 (Comment2010.5.17)