Comment page 2008.9.19 renewal


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告白
(2010)


 ある中学校の終業日に、その日で学校を辞めるという 担任の森口悠子先生(松たか子)は、クラスの生徒達にある告白を始めます。それはクラスの生徒に娘を殺された森口の、少年法に守られた彼らへの復讐劇の始まりでした。それから犯人生徒のAとB、彼らに関わる親や同級生や教師など登場人物それぞれが、自分の目線で思いを語っていくような展開で、事件の背景や真相が明かされていくなか、森口は巧みに彼らをある結末に誘導していきます。

 これ、映画になるって知らずに原作読んでたんですよ。もう細かい内容は忘れてたけど、映画観てたら、ほとんど原作通りかな〜って思いながら、でも寺田良輝先生(ウェルテル:岡田将生)と少年Bの家に行く北原美月(橋本愛)の 少年Aとの絡みは記憶に無くて、まぁあやふやなもんです。それと、なんとも言えない空恐ろしさが充満しているような またそんな余韻が残ったな〜という印象だったんですけど、映画でもやはり登場人物それぞれに自己中心的な思いやら 人の弱さや心の中にある闇が見え隠れして、でもちょっと文章で読む印象と違ってたところもありました。

 なんていうか、これ現実離れしていそうでいて 現実にリンクしてしまいそうなリアルさにゾォ〜っとしてしまいます。そんな重苦しさが何も解決されず、救いもなかった。。。
 誰の立場で観るのか、若い子たちは どの生徒と自分を重ねるのかな。20代くらいだと どうなんでしょう。女性と男性でも、子育てしてるかどうか、自身の親子関係も影響するのか、どうでしょう。私はもし自分の子が殺されて犯人が罪に問われないなら・・と思って観てしまってたと思います。森口の”思い”は、自分にもあるかもしれない本音と重なるような気がしました。怖ろしや〜。。。加害者には、自身が犯した罪の重さを心底で感じて、思いっきり後悔して被害者への謝罪の気持ちを持ってほしいし、一生それを背負って償う気持ちを忘れずに生きてほしいです。それが”更生する”ことだと思います。事故扱いされるなんて とんでもないのはもちろん、警察の手に委ねたとしたって 加害者を 何事もなかったように普通の生活ができるように”更生させる”のだとしたら、納得できない気分だと思います。加害者自身の背景に何があろうと、非のない被害者に対する罪は まるっきり罪です。もちろん、森口の 新たな犯罪を生む行動を肯定するつもりは全くありませんけど。。。
 さて、森口は見事に愛娘の復讐をやってのけた(彼らの罪に対して罰を下した)のか!? それともそれは、森口なりに彼らを真の更生へと導いたのか!?
 しかし、そんな諸々な私のマジな思いなんてひっくり返される ラスト森口のひと言!! これって、原作には無かったと思うんですけど・・・?(ん〜記憶に無いです。。) どうして?って ちょっとした動揺をしたかな〜。っで、この映画はエンタテイメントですよ!ってことで気分を楽にしてくれてると理解するか、逆に底知れぬ人の心の闇、被害者という立場を利用した悪意と感じるか。あっ、どっちもかな。UKIUKIは お気軽な気分で映画を楽しみたいから、そうそうこれって怖〜い心地悪さを楽しむエンタメだよね!ってことで、劇場を後にしました〜。 (Comment2010.6.30)