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恋のきた道


 人をはじめて好きになったときの気持ちは、時代を超えて場所が違っても変わりないと実感し、ディ(チャン・ツィイー)の一途な想いにすっかり共感してしまいました。

 ルオ先生を待ち続けた月日は長かったけど、想いが通じて一緒になってからの約40年間、二人がどんなに幸せな人生を歩んできたかがよく分かります。その間のシーンが全くなくても分かります。
 夫の突然の死に直面し、悲しみに打ちひしがれながらも、家路を辿るように亡骸を担いで運ぶことにこだわるディ。担ぎ手を雇ってでも、彼女の願いをかなえようとする息子や村長。ところが葬列にはあふれるほどの人が集まってきたのです。

 澄んだ空気と豊かで厳しい自然の中で村にとけ込み人々と交わり、二人は穏やかに寄り添い生きてきたのでしょう。突然の不幸は辛かったけど、二人の人生を思うと幸せな気分になれる作品でした。