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ロビンソン・クルーソー


 ダニエル・デフォーの原作は読んでいないけど、子供向けの本で「ロビンソン・クルーソー」を読んだ当時子供だった私は、この物語が大好きで繰り返し読んでいたことを思い出しました。そしてどんな場面を今思い出すかと言えば、漂着した陸地のあちこちに出かけていってそれが島だと分かるまでの探険の様子、住みかを作り獣などから身を守るためにいろいろな仕掛けを工夫している様子、食料を調達して保存したり耕作したりする様子、暦を刻んだり、ボートをくり抜いたりも、確かにフライデーという名前も強く印象に残っているけどそれだけ。つまり、真っ暗闇の夜にひとりぼっちで何かに襲われないかとビクビクしながら過ごすなんて、なんと恐ろしく怖いことだろうと思う一方、人間とんでもない絶望的な最悪の状況でも、こんなに工夫して生きていけるものなんだという希望が感じられて、どきどき わくわくしながら楽しんでいたのだと思います。

 それでどんな映画になってるかなあっと、期待と不安半々で観始めました。
 子供の私に印象深かった場面はさらっと流してありました。ロビンソンとフライデーの友情を中心に、メアリーへの想いを持ち続けたロビンソンの物語になっていたと思います。違った物語になっていてかえってよかったです。
 孤独の中で人との出会いを待ち望んでいたロビンソンだけど、フライデーとの出会いは恐ろしくて突然でした。「友達だよ。」と繰り返し、「怖がらなくていい。」と言いながらビビリまくっている気持ちがよく分かります。ロビンソンがコウモリを撃ち落とし、フライデーもコウモリを打ち落として「どうだ!!」と向き合う場面が私は好きです。命の恩人の前でも尊厳を失わないフライデー、そんなフライデーだからロビンソンとの友情が築けたのだと思います。Man Friday を演じた William Takaku が気に入りました。