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海辺の家


 建築事務所を解雇されたうえ突然癌で余命3ヶ月と宣告された建築デザイナーのジョージ・モンロ−(ケビン・クライン)は、父から受け継いだ海辺の家を建て直して、離婚した妻ロビン(クリステリン・スコット・トーマス)と暮らす息子サム(ヘイデン・クリステンセン)に残すことを決意する。
 思春期のサムは新しい家族の中で心を満たされずドラッグに溺れてひどく反抗しお荷物になっていたが、とことん落ちていくのにはまだためらいがあった。
 またジョージ自身も若い頃の父親との葛藤をいまだに引きずっていた。彼は自分の人生とサムとの幸せな日々を振り返っては最後の時間でやり残したことを立て直すべく、嫌がるサムに夏休み自分と一緒に過ごすよう、強引に海辺の町へと連れてくる。

 ジョージ、サム、ロビン、彼女の新しい夫や二人の息子、そして隣人までも、みんなそれぞれが愛を求めながら、自分の愛する形は相手に伝わらなくて家族がバラバラになっています。しかし家を建てるジョージの周りに集まってきた彼らは、人生最悪の状況に陥ったジョージが悔いの残らない人生を生きようとしている姿に触れ、しだいに自分の気持ちに正直になっていくとともに家族への気持ちがほぐれていって、再び家族の気持ちが寄り添ってきます。

 親と子、家族の絆を描いた感動作でした。こういう作品には弱いんです。タオルを温かく湿らせてくれました。優しさの余韻が残る作品でした。