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オーロラの彼方へ


 1969年10月のNY、黒点の影響で空にはオーロラが出現し、市民はワールド・シリーズに熱狂していた。勇敢な消防士の父フランク・サリヴァン(デニス・クエイド)、優しい看護婦の母ジュリア(エリザベス・ミッチェル)のあふれんばかりの愛情につつまれて、6歳のジョン・サリヴァン(ダニエル・ヘンソン)は幸せだった。それから30年後、再びNYの空にオーロラが輝いた。NY市警の刑事になったジョン(ジム・カヴィーゼル)は、古い無線機のの向こうから呼びかける声と交信を始めた。

 宇宙の神秘によって過去と現在の時空の歪みが交錯したのか、無線を通じてフランクとジョンが再会することで物語が始まります。
 タイム・トラベルを扱った作品では、歴史を変えてはいけないし未来は変えられないというのが原則的にお決まり事。ところがこの作品、おかまいなしに殉職したはずのフランクの命を救い、ジョンに新しい暖かい思い出を刻んでいきます。
 しかしその反面、とんでもない事件が彼らの身辺に降りかかってきます。過去にいるフランクと現在のジョンが必死になって事件を解決しようとする、つまり歴史を変えようとするドキドキ感とワクワク感がとてもよかったです。だってそれは悲劇ではない幸せな思い出をジョンにもたらし、新しい未来をつくることになるのですから。
 父と子が時空を超えてその絆を確かめ合い深め合うというという感動作であると同時に、緊迫感のあるサスペンス的要素が、みごとな法則破りをあまり気にさせずに楽しませてくれました。ただ私には事件と犯人の気持ち悪さが残ってしまって、感動の部分をちょっとじゃましてます。