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遙かなる大地へ


 19世紀末のアイルランド、小作人の息子ジョセフ(トム・クルーズ)と地主の娘シャノン(ニコール・キッドマン)が夢を求めてアメリカに渡ります。しかし現実の生活は悲惨な状況で、二人は兄妹としてかすかな夢を追いつづけるのでした。

 自由を求め自分らしく生きようとしたシャノン、でもお嬢さま育ちで洗濯もまともにできないところなんかがおかしいのですが、鶏肉工場で働く姿は生き抜く力を感じます。
 ジョセフの芯の強さと優しさが素敵です。父を苦しめた憎き地主の娘シャノンをずっと妹として守りつづけます。
 何も食べず何日間もさまよい続けた二人が忍び込んだ豪邸で、恋人のような夫と妻の''ふり''をするところが悲しいけどよかったです。すぐにラブシーンに進まないところが好感度を上げました。

 自分の土地を持つことが人生で一番価値のあることと人々が信じて疑わなかった時代、死んだ父の最後の言葉を胸に、ジョセフもオクラホマに向かいます。アメリカの西部開拓時代今からわずか百年ちょっと前の場面を観て、改めてアメリカって若い国なんだと気づき、20世紀の凄まじい発展に驚いてしまいます。
 ついにジョセフが土地を手に入れるかどうかというときに、二人が心に持ち続けていた真実が沸き上がってくるのでした。時代を超えて人生で一番価値のあることはやっぱり・・・、嬉しいハッピーエンドでした。